『刀語 第4話』(☆4.0)



"日本最強"の堕剣士・錆白兵から叩きつけられた挑戦状。無刀の剣士・鑢七花と奇策士・とがめは、薄刀『針』を所有する錆から、その刀と、日本最強の称号を奪い取ることはできるのか―?伝説の刀鍛冶・四季崎記紀が完成させた"刀"は十二本―残るは九本。刀語、第四話の対戦相手は、日本最強の称号をほしいままにする錆白兵。衝撃の12カ月連続刊行企画"大河ノベル"第4弾。 

yahoo紹介より

前回の『刀語 第3話』の記事で、次回と合わせてマンネリズムからの転換点を迎えると予想しました。
なにしろ今回は第1話から名前だけ登場している、薄刀『針』を操る日本最強の天才剣士・錆白兵が相手。
そんな相手にどう七花は立ち向かうのか。そしてどんな戦いになるのか。
もちろんシリーズが続く訳ですから、ここで負けるはずは無いと予想出来るのですが・・・

まさか、こうくるとは!!


いやあ、やってくれました西尾維新
いや確かにラストで七花が錆白兵を倒して薄刀『針』を手に入れるというオチは変わらんのですが、まさかその戦いをこんな描き方にするとは想像だにしていませんでした。
しかもこれ以上そこに触れると、本書における最大のネタバレになっちゃうしなあ~。

序盤で日本最強を倒してしまうと、次に強いやつが日本一になる(あるいは倒した人間が日本一)になる。
そんな自明の理を超える為に、日本最強以上の最強を用意しなければ物語は続かない。
そこで出した西尾維新の解答は実に鮮やか。
さらにはすでに風太郎やその魂を受け継いだ小説・漫画・映像で出尽くした忍法に細かなアレンジと物語の意外性を加えて、最強の最強っぷりと最強ゆえの悩みを、エンタメ流に鮮やかに表現してます。

おそらくは今作で明らかになった日本最強が刀集めの最終ボスになってくるんでしょうな~。
続きが気になる気になる。
内容的な濃さから言えばアッサリしてるかもしれませんが、サプライズ的な演出に☆4つを差し上げたいと思います。


採点  4.0



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