『小生物語』(☆4.2)



ホームページ連載中から、そのあまりの面白さで、多数の熱狂と興奮を喚んだ伝説の日記が一冊に!
小生≒乙一が綴る、虚構と現実と夢とギャグが入り乱れた、前代未聞の奇書。ついに刊行!

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氏がHP&雑誌(?)で連載(?)していた日記(?)をまとめた本。
なんだか(?)ばっかりだが、気にせぬよう。

基本的には豊橋時代、東京時代、神奈川時代の三時代の記録なのだが。。。
とにかく変。とにかく自虐的。とにかくダメ人間。
そんな匂いがプンプン漂う。
つ~か、ところどころに記載されている妄想。
もしこれが本当に日記だったら、相当に危ない人だ。

と思ったらあとがきで、

小生は「ホンモノの乙一」とはちょっと違う人物で、乙一が書いていた日記に時折自分の言葉を紛れ込ませているのだそうな。
ということは、これは乙一版『ウロボロス偽書』か!!

というほど大したものではない。
大したものではないが、面白い。
どうせならただの日記は書きたくないという乙一の心意気(?)が満載なのだ。

つまりは『1000の小説とバックベアード』の主人公が主張する

「小説家が小説だと思えば、それが日記であろうと映像であろうと音楽であろうと小説なのだ!!』

の基準に沿う(?)ところの小説だということだ。
まあ、あれを基準に小説だと語られても困るかもしれないが、氏の数少ない交遊関係に佐藤氏がいるらしいので、ま、いいだろう。

とにかく脱力的な面白さ満載の小説。
なにをやっても乙一はおもしろいのだ。


採点  4.2