「今月のマイBEST(2007年3月分)」

大変遅くなってしまいましたが、2007年3月のベストです~。
まずは今月読んだ本を。

3月

●『アリバイ地獄』(☆2.3)
●『パーフェクト・ワールド Book.3』(???)
●『パーフェクト・ワールド Book.2』(☆???) 
●『饗宴(シュンポシオン) ソクラテス最後の事件』(☆4.3)
●『二人道成寺』(☆4.3)
●『蹴りたい田中』(☆3.3) 
●『宇宙捜査艦《ギガンテス》』(☆2.0)
●『タイムスリップ森鴎外』(☆3.8)
●『明智小五郎対金田一耕助 名探偵博覧会II』(☆2.8)  
●『Deep love アユの物語 完全版』(☆1.4)
●『刀語 第2話』(☆3.7)
●『少年は探偵を夢見る 森江春策クロニクル』(☆3.6)) 
●『刀語 第1話』(☆3.5)
●『贋作『坊ちゃん』殺人事件』(☆4.2)
●『僕の殺人』(☆3.8) 
●『パーフェクト・ワールド Book.1』(☆4.0???)
●『ηなのに夢のよう』(☆3.7)
●『刑事失格』(☆3.0) 
●『きみとぼくの壊れた世界』(☆3.4)
●『僕らが愛した手塚治虫』(☆4.4)
●『キララ、探偵す。』(☆3.8)  
●『宙(そら) 新宿少年探偵団』(☆4.5)
●『大怪樹 新宿少年探偵団』(☆3.8)
●『名探偵はなぜ時代から逃れられないのか~国内編』(☆4.5) 
●『まぼろし曲馬団の逆襲 新宿少年探偵団』(☆3.2)
●『アナザーホリックランドルト環エアロゾル ×××HOLiC』(☆3.0)
●『島田荘司のミステリー教室』(☆4.0 テキストとして)  
●『中原の虹』第2巻(☆4.0)
●『黄金の灰』(☆3.9)
●『発光妖精とモスラ』 
●『甘栗と金貨とエルム』(☆4.1)
●『中原の虹』第1巻(☆3.8)
●『本格ミステリー・ワールド 2007 』    


今月は33冊。おお、久しぶりの1日1冊ペース越え!!
とはいっても、今月は「宿少」シリーズや「刀語」「PW」シリーズなど薄い本が多かったからというのもあるんですが^^;;
ま、とにかくさっそく始めましょう。



しょっぱなから5位を2冊挙げさせていただきました。
とにかく漱石の「坊ちゃん」をまるまる自作に取り込むアイデアが強烈な前者と、少年を主人公にしたほろ苦くも暖かい物語という著者得意のパターンがびしっと嵌った後者。持ち味が対極の2冊、甲乙つけがたく♪



ほんと、10年ぶりぐらいに読んだ近藤作品。
ミステリとしては佳作だが、恋愛小説としては濃密すぎるほどに濃密。
いろいろな意味で歌舞伎な要素を強烈に含んだと見受ける作品でした。このシリーズの他作品も読まなくては。



一筋縄ではいかない作家柳広司(全部は読んでませんが)のメタもどき正統派ミステリ。
『言葉(ロゴス)』を主題に広げる哲学的論争にきっちりとミステリとしての伏線を埋め込む手法は鮮やか。
クライマックスの推理合戦は、どこか「虚無~」を思わせる内容(もちろんあそこまで高貴ではありませんが)。
未読の方は是非♪



5位に続いて、2位も2冊。優柔不断ですいませぬ^^;;
前者は国内ミステリ評論集、後者はタイトル通り手塚治虫の評論集。
どちらも著者の思い入れがたっぷりつまった珠玉の評論集となっております。



じゃじゃん、1位は「新宿少年探偵団」完結編の1冊を。
とはいってもこの点数はこの1冊に与えたものではなく、シリーズ通しての総合点ということで。
現代版「少年探偵団」としてはじまったこのシリーズが、ジュブナイルSFの快作として締めくくられました。
いやあ、何回読んでもラストは泣いてしまいます♪


てな感じでした。
1位の本に関しては2年前ぐらいには読んでたんですが、ここまで感想が遅れました。
でも読む前からよほどの事が無い限り今月の1位にしようと決めていた、それぐらい思い入れのあるシリーズです。
そして今月の出会いは柳広司。ミステリの潮流の中では地味なところに位置している作家ですが、何冊か読んでどうして評価されないのかがまったく不思議な作家でした。これぐらい面白い作品を連発してるんだから、もっとたくさん読まれてもいいと思うのにな~。

さてさて今月はカルトな本がたくさんあったため、一つの記事に纏めると字数制限をオーバーしてしまいました。ということでもう一本記事を書きます。