『図書館危機』(☆4.0)



王子様、ついに発覚! 山猿ヒロイン大混乱!;混乱のあまり現場をひっちゃかめっちゃかに!?
一方、玄田のもとには折口からの出版事情の揉め事相談が。出るか伝家の宝刀・反則殺法!!
 そしてそして、山猿ヒロイン故郷へ帰る!?
そこで郁を待ち受けていたものは!?
終始喧嘩腰で 『図書館戦争』 シリーズ第3弾、またまた推参!!

yahooブックス紹介より

『図書館戦争』『図書館内乱』に続くシリーズ第3弾。
ブコメ路線まっしぐら、ラブコメ好きの私としてはどっぷりです、はい(笑)。
いやあ、前回で心配したとおり、『ガラスの仮面』モード突入。
巻は進めど二人の仲はなかなか先に進まず。第1章の郁は、「紫の薔薇の人」の正体を知って、ボロアパートの窓際で麗の呼びかけにすら気づかないマヤ状態、ただし武闘派みたいな。
いや、はたからみて相思相愛丸分かりという意味ではむしろ猪熊柔と松田さんの関係の方が近いのか(分かる人だけ分かってください)。
とにかくやたら体は接触するくせに・・・どっちか意味も無くギュウとせい、ギュウと!!もしくはブチュウでもいいぞ!!少なくとも父親公認(?)!!
そんなトロトロしてたら、手塚&柴崎に先越されるぞ!!

どうでもいいところで熱くなってしまいましたが、そこで熱くなるのがこの本の正しい楽しみ方だと(笑)。
ブコメ度がどんどん強くなるにつれ、図書館特殊部隊の物語は落ち着いてしまった印象。
第5章のバトルは熱いものがあるものの、描写自体は過去2作の方が力入ってるんではないでしょうか。
まあ個人個人のエピソードの膨らまし方はより一層顕著にはなってきてるんですけどね。
今までとりあえず行動派!!的な印象の強かった玄田さんはそれをさらに振り切ることによって一段とカッコよくなってるし、郁の父親もダンディズム全開だし(笑)。
ただ茨城県政側の皆さんが優しすぎるのはちと違和感を感じましたが。

それからもう一つは第3章がまるまる「言葉狩り」に関するエピソードに割かれていました。
確かにこの小説内ほど極端ではないにせよ、理解に苦しむ放送禁止用語の数々は言論表現に生きる人にとっては悩みの種なんでしょうね。
見てるこちら側も、TVのアナウンサーが「先程番組内で不適切な表現が~」と謝罪したときに、「え?どれが不適切な表現なんだ?」と思うこともあります。
個人的にはむやみやたらに「狩る」よりも、その言葉がどういう意味や趣旨を持つのかというのをきちんと教えた方がいいと思うんですけどね。
ただ、作者の「言葉狩り」に関する強いスタンスは伺えるものの、もうすこし自分の言葉で登場人物達に喋らせれる事が出来たならと思ってみたり。

まあ内容としては、もう深いこと考えずにラブコメにどっぷりとつかるべし。
次回いよいよ完結なので、とりあえずチューはしてください、チューは。