川柳大賞【本の楽しみ-②】結果発表

【本の楽しみ-②】結果発表


47  月あかり射して地上の霜となり(李白「静夜思」を思いて)	アニス	
                                      6+6+5(17)
48  名タイトル!『月は無慈悲な夜の女王』 	アニス	3(3)
49  Moonshine我もタルホになる夜ぞ	アニス	4+3+1(8)
50  秋月と虫の音肴に本に酔い	たいりょう	6+6+5(17)
51  積まれたる小口も白し窓の月	アニス	5(5)
52  月下独酌詩聖を気どる良夜かな	アニス	5+4+4+2(15)
53  飲みませうポッカリ月が出ましたら	アニス	6+6+5+4+4+3(28)
54  中秋の 月の灯かりで 文章(ぶん)を追い	あざらし。	3(3)
55  侘び住まい 贅沢にする 本と月	あざらし。	6+6+5+3+2(22)
56  本開き 月明かりの下 文字を追う	素朴なOL		
57  十六夜にいざ良い本をと洒落てみる	まぁ	6+6+5+4+3+1(25)
58  窓辺にて本読む君も月の客	まぁ	5+5+4+4+3+2+2(25)
59  その昔読んだかそれとも夢みたか(月の荒野を早馬のゆく)	アニス 5+3(8)
60  いにしえのもののふたちの決闘は(月の下こそあらまほしけれ)  アニス	5(5)
61  月明かり 本から妖(あやかし) わらわらと  あざらし。 6+6+5+4+3+2+1(27)
62  酒でなく読書で参加の月の宴	まぁ	2(2)
63  短編を 読んでるあいだに 昇る月	あざらし。	4+3+3+2(12)
64  本読む手止め外見れば星月夜	まぁ	2(2)
65  秋の宵月や虫らがものがたる	しろねこ	2+1(3)
66  寝ころべば本の向こうに月の弓	まぁ	3+3+2+2+2+2(14)
67  名月や愛でても一句が出てこない	しろねこ	2(2)
68  ホラー本背後を振り向く夜半の月	しろねこ	4+1+1(6)
69  「おめでとう」見返しにある(亡き人の文字を眺むる長月の夜)  アニス	6+1(7)
70  名月が本を読む子をそっと見る	まぁ	6+6+4+3+2+1(22)
71  めくるほどに 深くさやけく 夜長かな	gaki	4+1(5)
72  本もまた 秋の実りの なかにあり	あざらし。	6+5+2+1+1+1(16)
73  落ち葉散る ベンチ書を積み 枕にし	素朴なOL	4+3(7)
74  落ち葉踏み 本に出てきた 絵に会いに	あざらし。	6+4+4(14)
75  枯葉踏む 音に合わせて ページ繰る	素朴なOL		
76  黄昏の 川原で開く 純文学	素朴なOL	5+3(8)
77  昼の影の長さに季節を感じ	gaki		
78  開きたる書を縁取るや萩の花     	アニス	2+1(3)
79  萩の花咲けども一句がでてこない	しろねこ	1(1)
80  ミステリが良く似合うでしょ彼岸花	まぁ	3+3+2+1+1(10)
81  本を読む 車窓ごしに 稲穂ゆれ	えむこぶ	4+3(7)
82  公園のベンチで本読む秋麗	まぁ	5(5)
83  小春日にうとうと本もすべり落ち	しろねこ	5+5+3(13)
84  今日の日差しに まだ夏感じる 9月かな	gaki		
85  読みたいな秋空の雲に寝そべって	まぁ	4+3+2+1(10)
86  虫の音に 聞き耳たてつつ 目は活字追う	ちいらば		
87  秋深しまったく川柳出てこない	しろねこ	1(1)
88  読み続け秋空がもう入日色	まぁ	1(1)
89  書架の本金色に照る秋の暮れ	まぁ	6+6+4+2+1+1(20)
90  読書する君の背中に茜射す	ちいらば	6+6+5+5+5+5+4+3+2(41)
91  夕暮れに 本もわたしも あかねいろ	あざらし。	4(4)

投票された皆さんの選評(一部)
ざらし。さん
1-47、2-60、3-53、4-76、5-65、6-88でお願いいたします。バラエティも多いし、素敵なのも多いしで、頭がいたくなってきました。
月野さん
「1位=53、2位=59、3位=49、4位=63、5位=62、6位=68」1位の53は、もう超然とした句ですね、協会さんには珍しいタイプw。2位の59も好きです。あるいは同じ方ですか。
ヒデじぃさん
夕暮れから秋の夜長編ですね。秋はこの時間帯がよく合いますね。投票します。「1位-90、2位-82、3位-85、4位-57、5位-66、6位-87」
きいちごさん
1位…70 2位…61 3位…74 4位…85 5位…66 6位…57 どれもよくってなかなか選べなかったけど、「うん、あるある」と情景が浮かんでくる句を選んでみました。
えむこぶさん
1位-53、2位-90、3位-91、4位-66、5位-61、6位-80です。1位の句は、読んだ瞬間「1位だ!」と思ってしまいました。2位と3位の茜シリーズはどちらにするか迷ったんですが、恋の情景が入っている90に軍配です。
まぁさん
「1位-61、2位-90、3位-68、4位-59、5位-78、6位-65」1位の句は、全句の中でも一番好きな句です。あやかしわらわらという表現が素晴らしい。2位は情景を思い浮かべると味わい深い。3位は、怖さもまた本の楽しみですよね。4位は歌の歌詞のような詩的川柳です。5位、6位とも好きな句ですが、このカテゴリも上位にあげたのが良すぎて、この順位になってしまいました。
しろねこさん
1位-55 2位-47 3位-57 4位-49 5位-52 6位-61.お、gakiさん開けッぴろげですね(笑)②は技巧的な句も多く読みごたえある部門でした。55と47は同点ですが僅差で「贅沢とわび住まい」の対比の面白さで55としました^^。
素朴なOLさん
1位-74、2位-57、3位-90、4位-66、5位-64、6位-72。です。74はどんな絵なのかしら~と山の中の紅葉や銀杏並木を想像しました。 57のシャレも好きですね。十六夜を使った句を詠みたかったのですが、なかなかいいのを思い浮かばなくて、この句に心を奪われました・笑!
himaさん
1位-57、2位-90、3位-52、4位-58、5位-63、6位-69、でお願いします。57番の洒脱さは絶品ですね。秋らしいさわやかさを感じました。全体的に白、オレンジと秋の色を感じさせてくれるものが多い印象です。63番は「秋のつるべ落とし」が見事に詠みこまれてますね。69番、そんな経験はありませんが少し泣きそうになりました。
めぽさん
「1位-47、2位-76、3位-58、4位-55、5位-85、6位-78」47は「静夜思」の詩の雰囲気を損なうことなく霜のような月光が浮かんできます。76純文学が似合うのはやはり黄昏時ですよね!58は「月の客」という言葉の発想に脱帽です。55は『方丈記』や『奥の細道』などを思わせる雰囲気でいいですね。85は、シンプルなわらべ歌みたいです。78は、本を縁取る萩の花の色まで映像で浮かんできます。「開きたる」という導入も素敵!