amazonレビューより
角川企画のこのリレー小説。メンバー結構凄いです。とりあえず、担当した章題と合わせて以下の通りです。
悪魔の犯罪(二階堂黎人)
天使の婚礼(柴田よしき)
堕天使の来歴(北森鴻)
黙示録の獣(篠田真由美)
堕天使、空を飛ぶ(村瀬継弥)
棺の花嫁(歌野晶午)
殺戮の聯環(西沢保彦)
アージニャー・チャクラの戦慄(小森健太朗)
"堕天使"の最期(谺健二)
探偵、登場!(愛川晶)
堕天使昇天―森江春策の推理(芦辺拓)
ミステリーファンだったら、このメンバーを見て読まない訳にはいかないでしょう。 1番手の二階堂氏から、もういかにもって感じの始まり方です。なんせ、頭部・胴体・右手・左手・右足・左足の6つのパーツをつなぎ合わせ、ウエディングドレスを着せられた遺体が小樽の運河で発見され、別の場所では9人もの男性が1度に殺されているバスが発見され・・・もう、二階堂蘭子がいつ登場してもおかしくない状況です(後書きで西澤氏が述べてるように、時代が違うのでさすがにでてきませんでしたね)。
以降、まったく打ち合わせ無しとは思えない矢継ぎ早の展開と、不可解かつ残酷な事件の連続。 解決編担当の芦辺氏も、相当大変だったろうな~。
この中でも、異彩を放つのがやっぱり小森氏(笑)。
もう、章題からしてヤ・バ・ソ・ウ♪
そのタイトル通り、小森ワールド全開ですもん。後を受けた谺氏もどうしよ~と思ったんじゃないですかね。 あと、難解すぎる密室殺人を提供するだけして、あとのメンバーに放り投げた柴田氏も、その豪腕っぷりが印象深いです。
愛川氏のところで、根津愛が出て来てここは当然彼女が探偵役だな!!って思ったら、実は解決するのは新本格屈指の地味探偵 森江春策♪ でも、結果的に理論的な構成力が持ち味の芦辺氏が最後だったのはよかったかも。 まあ、小森氏のアンカーも見てみたいきがしますが。
巻末の、それぞれの作者の今後の展開予測も含めて、一読に値するリレー小説ですね。