イグアナの娘 テレビ朝日系列(1996年4~6月)

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1996年にテレビ朝日系で放映された、“もう一度観たいドラマ”の上位にもランキングされる菅野美穂主演の感動ドラマ。母親の愛情を受けずに育ち自分をイグアナだと思い人生に絶望していた主人公リカが、友達によって前向きに歩き始める姿を描く。

(「DVD NAVIGATOR」データベースより)




いやあ、大好きなんですこのドラマ。放送時に録画したビデオはまだ残ってます。原作は萩尾望都さんの同名短編漫画が原作。こちらも結構な作品ですが、それを下敷きに、原作とはまた違う魅力を引き出した傑作です。

「自分がイグアナに見える」という、かなり特殊な設定ですが、人に言えないコンプレックスを抱えている少女の問題としてみれば、十分リアルに見れるストーリー。そして母親もまた、娘がイグアナに見えてしまう。娘を愛したけど愛せない母親、母親に愛されたいのに愛されない娘。この非常に難しい母娘関係を菅野美穂川島なお美が、非常に素晴らしい演技で魅せてくれます。でも、おかげでこの後しばらく菅野美穂を見てもイグアナにしか見えなくなりましたが(笑)。

また脚本(岡田恵和)も、このSFチックな設定を無理に強調せず、一人の女の子の成長の記録として構成しているので、1話1話のエピソードが積み重なって、最終回の感動にきっちり結びついています。「なぜイグアナに見えるのか」という疑問への作り手の回答は強烈でしたが(笑)。

主演の二人だけでなく、その他脇の役者陣も魅力的でした。父親役の草刈正雄(ダンディです)、妹役の榎本加奈子(ちょっと生意気な妹をやらせたら、当時はこの人しかいなかったのでは?)、恋のライバル小嶺麗奈(当時意地悪役の代名詞だったような)、ヒロインの憧れの人岡田義徳(この時間帯といえばこの人でした)。

その中でも印象に残っているのが、ヒロインの親友となる三上を演じた佐藤仁美でしょうか。けっして厚かましい優しさではなく、彼女のことを理解し、前進するときにただ隣にいて支えてくれる。本当に素晴らしい友人像だったと思います。

当時、テレ朝月曜8時枠は女性アイドル枠的な要素が強かったのですが、結構隠れた名作を生み出した、僕お気に入りの時間でした。