オランダVSセルビア・モンテネグロ

悲願の初優勝を狙うオランダと東欧の雄セルビア・モンテネグロの一戦。
アルゼンチンが初戦勝利を収めているだけに、勝点3が欲しい両チームの戦いは予想通り、攻めのオランダ守りのセルビアの構図に。
立ち上がりオランダの左ウイングのロッペンのプレーエリアを塞ぎ、中盤から強烈なプレスを掛けるセルビアが欧州屈指の守備力を見せ付けます。
オランダも伝統の豊富な運動量と両ウイングを使った攻撃でセルビア陣に迫るも、逆にカウンターを食らう場面も。

これはしばらく均衡が続くかなと思いきや、前半18分ファン・ペルシーの浮き球のパスに対し、まるでエアポケットに入ったかのようにセルビア選手を尻目にロッペンが抜け出しそのまま独走。キーパーの動きを良く見て先制点を叩き込みます。
おそらくセルビアにとって予想外に早い失点だったと思います。これを機にじょじょに試合はオランダペース。セルビアも時折カウンターを仕掛けるもミロシェビッチとケジュマンのポジションが何度も重なり、中々決定的チャンスを作れません。逆に中盤から自由自在のドリブルで切り込んでくるロッペンに対し、まったく対応できず危ない場面を何度も作られてしまいます。

後半に入ってもペースは変わらず。序盤はミロシェビッチに変わって入った202センチの長身ジギッチのポストワークが効を奏し、何度かチャンスの形をつくります。ただ時間が立つにつれ、ジギッチよりもケジュマンが前に位置どる事が多くなり、ジギッチが機能しなくなります。
逆にロッペンのドリブルに対する有効策が取れないままずるずると時間が流れてしまい、ファンバステン監督の状況に即した選手交代もあり結局一方的なペースのまま試合は終了。両チームとも立ち上がり素晴らしいサッカーをしていただけに、失点後のセルビアの失速が残念でなりませんでしたね。

オランダはとにかくロッペン。堅守を誇るセルビア守備陣がわかっているの対応できない、それぐらい切れてました。この日のオランダのチャンスの殆どがロッペン絡みであり、彼を止めるのは優勝候補のチームでも難しいかもしれません。
ただオランダに隙が無いかというとそうでもありません。ロッペンが輝いた攻撃陣もファン・ニステルローイがイマイチだった事があり、パターンのバリエーションが少なく感じました。さらに最終ラインも高さには強いものの、縦への切り替えしの対応が遅く、そんなに速いとは思えないセルビア選手にも何度かチャンスを作られてました。
これをまとめると、ロッペンを封じられてさらに個人技で勝負されると少々苦しい展開になるような。残りの相手でいうとアルゼンチンよりもコートジボアールの方が予選の山場になるかもしれませんね。とはいってもここまで登場した欧州チームの中で唯一試合中の運動量が落ちなかったり、ロッペンを止めれる選手はなかなかいないだろうと言う事を考えるとまずまずのスタートかもしれません。

セルビア・モンテネグロは攻撃の組み立てをもう一度確認しないと、早々に脱落してしまう可能性がかなり高そうな気がしました。
いまからコートジボアールVSオランダが楽しみだなあ~♪