『カーの復讐』

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古代エジプトの秘宝「ホルスの眼」という名のメダリオン。この素晴らしさに心魅かれる男がいた。その名は怪盗アルセーヌ・ルパン。彼はそのお宝を頂戴するために、発掘者ボーバン博士に近づくが、博士の居城「エイグル城」で、ルパンを待ち受けていたのは奇妙な連続殺人事件だった。暗号文を手に死んだ老婆、財宝を荒らしたボーバン家への、生霊「カー」の復讐を口にする謎のエジプト人、城に出没するミイラ男、完全なる密室に置かれた脅迫状、そしてあらたに発生した連続殺人…。数々の事件を解決したルパンの頭脳をもってしても説明不可能な事件が続発し、人々を恐怖へおとしいれていく。果たしてこの前代未聞の難事件の犯人は誰なのか?ルパンはプライドをかけて事件に挑む。 

yahoo紹介より

二階堂さんでカー、最初はこのタイトルを見てJ.D.カーが復讐する話かと思いました。いったいそれはどんな小説なんやねん、と思ってたらアルセーヌ・ルパンの贋作物でした。まあそりゃそうですよね。

ルパンの贋作といっても、中身はもろ二階堂ミステリーって内容で、ミイラが出てくるは密室事件は起きるわ、犯人の設定や動機もなんとな~く蘭子物っぽい匂いを漂わせてますね。
密室トリックなんかはちょっと大仕掛け(このへんもぽいですね)なんですけど、まあこれぐらいの方が子供を対象にしてる分には面白く感じるんじゃないかなと思います。
ただそれ以外の部分はあまりに二階堂ミステリーすぎて、このミステリーランドっていう枠で書く必要があるのかなとも思いました。
筋立てのオカルトっぽさなんかは子供には受け入れやすいのかもしれないですけど、全体の構造はちょっと違うのかな~っていう疑問がつきまといました。

それにルパンっていう設定も十分生かされてないというか、なんだかルパンって感情移入しにくいというか、オリジナル作品のファンとしてはなんだか違和感があるんですが・・・。
こういうタイプの本が子供に受け入れられるとしたら、やっぱり主役であるルパンのがいかに読者を惹きつけるかだと思うんですけど、そういう意味ではちょっと弱いなあ。
これだとミステリーランドに書き下ろした事が逆効果になっちゃった、そんな感じです。




総合  2.4