『九尾の猫』

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手当たり次第に殺人を犯し、ニューヨーク全市を震撼させた連続絞殺魔<猫>の正体は? <猫>が通りすぎた後に残るものはただ二つ--死体とその首にまきついた絹紐だけだった。おそるべき連続殺人をつなぐ鎖の輪を求めて、エラリイと<猫>に息詰まる頭脳戦が展開される。 


昔からクイーンは好きだったんですけど、本当にはまったのはもしかしたらこの小説からかもしれないですね。
見えない動機と見えない犯人。警察の捜査は一向に進まず、町は恐怖に陥る。

オープニングからなんともいえない空気が漂ってて、エラリィ物では国名シリーズしか知らなかったので、イメージの違いに戸惑いました。でも読み進めるうちに、むしろこっちのほうが自分の好みなんじゃないかって思うようになりました。
もちろん国名シリーズと同じぐらい伏線は張り巡らされているんですけど、それが一筋縄では収束しないあたりはかなりひねりが聞いてますね。

そして最後にがらっと世界が反転する結末は、このタイプの小説が多くなった今読んでも、全然色褪せてません。
何度読んでも、あの結末にはゾクゾクしますね。
そして最後の会話の部分に興味のある方は法月さんの「ふたたび赤い悪夢」を読んでみると独自の解釈が読めて面白いですよ。

ロジック4.0(ラストの結末まで練りに練ってます。)
ストーリー4.0(とにかく読ませます!!)
犯人4.5(キャラ、動機、意外性すべてOK!!)

総合4.0