のど自慢 監督:井筒和幸

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NHKの人気番組「のど自慢」が我が街にやってくるということで、群馬県桐生市の歌好き人間はウキウキワクワク。何をやってもうまくいかないが家族仲だけはいい夫(大友康平)、地方ドサ回りの売れない演歌歌手(室井滋)、そして不倫の恋に悩む姉を応援している妹の高校生(伊藤歩)などなど、さまざまな境遇の人々が、さまざまな想いを胸に秘めながら番組に参加していく…。

amazonレビューより




井筒さんですよ!!近年の『ゲロッパ』や『パッチギ』の原点はここにあり!!(ほんまかいな)

僕の中で、井筒作品というのは人間模様の面白さに本領を感じるし、好きな監督の一人なのですが、個人的に『岸和田少年愚連隊』とならんで好きなのがこの作品です。

まずなにより、のど自慢ですよ、あなた!!
なにを隠そう、昔地元でNHKのど自慢が開催された時、僕も予選会参加しました!!結果は予想通り落選でしたが、あの空気がこの映画には見事に表れています。予選に参加する一人一人にある、ちょっとしたエピソードの見せ方が抜群に上手い!!だからこそ、決して上手いとはいえない人の方が多い役者陣の歌声を聴いて、観客は感動してしまうのですよ。

その中でも、大友康平が物凄くいい味を出してます。なにをやっても上手くいかないお父さんだけど、常に前向き。そんなダメ親父をロッカーとは思えない、人情溢れた演技で魅せてくれます。彼を囲む家族の暖かさも心地よく、『また会う日まで』を熱唱する姿についつい応援してしまいます。その他、旅立つ姉に送る伊藤歩の『花』や、ハモれない『あずさ2号』など印象に残るシーンばかり。
最後にみんなの歌声が被さる『上を向いて歩こう』には、自然と涙が零れました。

とにかく久しぶりに純粋に映画を楽しめた、そんな作品です。見ないと損ですぜ~。

やっぱり歌っていいもんですね♪