邦画『笑う招き猫』(2017 日本)

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漫才コンビ『アカコとヒトミ』は、ツッコミ担当のヒトミとボケ担当のアカコのコンビ。彼女達は、芸歴5年、金ナシ、コネナシ、彼氏ナシの27歳。ある日、ヒトミを下ネタでからかった『きんぴら』の片割れをアカコがぶん殴って、ライブを台無しにしてしまう。ところが、その威勢の良さを買った事務所の社長・岩倉の気まぐれで二人はバラエティ番組出演のチャンスを掴むことに…。

* 監督:飯塚健
* 原作:山本幸久

* 高城ヒトミ - 清水富美加
* 本田アカコ - 松井玲奈
* 蔵前真吾 - 落合モトキ
* 大島洋次 - 荒井敦史
* 和田栄 - 浜野謙太
* 永吉悟 - 角田晃広東京03)
* 岩倉丈治 - 岩松了

なんとなく気になってた作品。

パッとしない漫才コンビの2人。大学時代からの友人で、卒業にコンビを組むというのはありそうなパターン。
作中何度もぶつかり、解散の危機を迎える。うーん、やっぱりありそう。

現在の時間と大学時代の場面が交互に展開することによって、お互いの関係と葛藤を見せてる。

テレビで人気が出て天狗気味なコンビや熱い心を持ちながら実家の問題に直面するマネージャーなど、実際にあるんだろうなー、こういう事って思う。

ただ、全体的にいまひとつコンビのお笑いへの思いが伝わらないかなー。特にヒトミを漫才の世界に引っ張る事になるアカコが、前半やたらキレてて、ただのめんどくさい女にしか見えない。
序盤に出てくる中学生のいじめネタもいるかなー、と。これを見せるなら中盤くらい、二人の停滞感をもっと見せた後の方が効果的じゃなかったかなあ。

まあ、漫才の部分はちょっと置いといとて、学生時代の理想と今の生活とのギャップにモヤモヤする人達の物語としてみれば、ツボは抑えてると思う。
大学時代には熱い夢を語っていた男が、職場では年下の上司(?)にきつく当たられて鬱々とする部分は本筋と同じくらい印象に残った。
居酒屋で好き勝手に盛り上がる大学生にキレるシーンは拍手喝采

サブエピソードと本編、現在と過去の見せ方など、工夫しようとして冗長になってるところはあるけれど、思いのほかまとまってる。

主演の二人については、松井玲奈もアイドル出身らしからぬ振り切った演技(SKE48時代のバラエティでの演技も飛んでたけど)は頑張ってたけど、やっぱり清水富美加が素晴らしい。
セリフ回しもそうだけど、ちょっとした表情や仕草でアカコや彼氏との将来について悩むヒトミの心情を上手く見せてる。なんで千眼美子になったんだろ、勿体無いなぁ。。

多分、ヒトミとアカコはケンカを繰り返しながらそれでもお互い支えあってコンビ続けていくんだろうなー。