『TOO YOUNG TO DIE~若くして死ぬ~』 監督:宮藤官九郎

イメージ 1

あらすじ

 人気脚本家・宮藤官九郎の監督作で、長瀬智也神木隆之介共演で描く奇想天外コメディ。
 平凡な男子高校生・大助は、修学旅行中に交通事故に巻き込まれ死んでしまう。目覚めるとそこは、深紅の空の下で人々が責め苦を受けるホンモノの地獄だった。戸惑う大助の前に、地獄専属ロックバンド「地獄図(ヘルズ)」のボーカル&ギターで、地獄農業高校の軽音楽部顧問をつとめる赤鬼・キラーKが出現。現世によみがえる方法があることを知った大助は、大好きなクラスメイト・ひろ美ちゃんとキスするため、キラーKの厳しい指導のもと地獄めぐりを開始する。
 神木扮する主人公・大助を導く赤鬼・キラーK役を、長瀬が特殊メイクによる衝撃的なビジュアルでハイテンションに演じる。共演にも宮沢りえ桐谷健太古田新太ら豪華キャストが集結。

	•	キラーK(近藤善和):長瀬智也
	•	関大助:神木隆之介
	•	亀井なおみ:尾野真千子
	•	手塚ひろ美:森川葵
	•	COZY:桐谷健太
	•	邪子:清野菜名


 クドカン監督、長瀬智也主演、ある意味鉄板である。さらに神木くんだ。これは期待するしかない。

 冒頭、バスの事故で命を失い、なぜだか地獄に落ちてしまった神木くん演じる平凡な高校生大助。そこで、長瀬や桐谷健太演じる鬼バンドと出会うのだが・・・あれ、思ったよりテンポが悪い、何故だ?とにかく最初から挿入されるライブシーンの数々、ちょっとしたロック・ミュージカル風でカッコいいんだけど、ある意味ノリ重視というか、時として小笑いの為の一発ネタ的な使い方もしてるので、本編とのバランスが悪く感じる。そこが原因なのかなぁ~。

 とはいっても、ライブシーンのリアリティさ。主役陣だけじゃなくカメオ出演的なメンバーな豪華さもあり、無理やり画面に惹きつけられます(笑)。特にCharと野村義男のGuitarバトル、マーティン・フリードマンとローリーのセッションなんて、その筋の人には堪らんわけですよ。メインどころでも、ライバルバンドのベース・清にドラムのシシド・カフカもかっこ良すぎる。でもそれにも負けてない役者バンド、ベース清野菜名にドラム・桐谷健太も負けてないわけで、この辺は流石である。

 物語も神木君の輪廻転生が描かれ始めると、テンポが良くなってくる。何故いっつも畜生道なのか、輪廻転生先が音楽スタジオのトイレなのかは謎だが、そんなことはどうでもいい。やっとこさ人間界に転生かと思ったら瞬殺。その理由がまぁ(笑)。もうこのへんはクドカンワールドに浸ってくれと。

 終盤、物語の目的が大助のファーストキスから、長瀬演じるキラーKの現世時代の妻と子供(この妻を尾野真千子が演じてるんだが、最後まで気づかなかった^^;;)に歌を届ける為に天国へ目指す事に変わる当たりから、スピード感の中にスポ根と感動の要素も。クライマックスでのバラード熱唱場面なんて、もう、歌は魂だ!!ッて感じです。

 クドカン作品の中では脚本のバランスは決して良くないし、趣味に走り過ぎてマニアな人しか笑えないネタもあるので、若干客を選ぶのかなと思うんだけれども、それを楽しむ事ができたら、大好きに作品になるんだろうな~。

 とりあえず、バンドってカッコいいよね♪