『不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界』(☆3.0


まずはあらすじ。

串中弔士。彼にとっては全てがゲーム--。名門女子高校を襲う七不思議殺人事件!
平和だったはずの私立千載女学園で不可思議かつ不可解な殺人事件が起こる。
そしてそこに勤務していたのは、こともあろうか倫理教師となったあの串中弔士。
病院坂迷路を巻き込んだ事件から14年。探偵ごっこの犯人捜しが再び始動。犯人は一体?!
これぞ世界に囲われた「きみとぼく」のための本格ミステリ

復活第1弾の記事から1ヶ月が空いてしまいましたが、本当に本が読めてません^^;;
仕事にやっと慣れ始めたところへ、相談員歴半年の人間には無茶すぎるだろうという密度の濃い仕事に四苦八苦しております。

そんななか久しぶりに最後まで読んだ本。
シリーズでいうと第4弾になるんでしょうか。それとも迷路と黒猫を分けて第2弾?

このシリーズは割りと好きなんですが・・・これはどうなんだろ~。
面白くなかったのか?と言われるとそんな事はなく一気読みできたんですが(薄いから?)。
シリーズを通してのこの作品の(勝手な)持ち味として解釈してるのが、表層的な薄っぺらさの有効利用というか。
見え見えの展開、あるいはゲーム的な処理(これは「JDCトリビュート」の方が強いかな)がラストまで至ると皮肉たっぷりに効果を発揮してくるというところがあったと思うのだけれど。

串中弔士のキャラクターといい、病院坂迷路の設定といい表層的な興味を誘う部分が結局それだけに終わってしまってるような気がします。事件自体も「ああ、そうですか」というところに落とし込んだ後の発展性がないというか。

西尾維新の文章が好きなら読んでもいいとは思うのですが、それ以上を求めるファンとしてはちょっと肩透かしだった気がします。



採点  ☆3.0