『QED~東照宮の怨~』(☆3.3)



まずはあらすじ。

日光東照宮陽明門」「山王権現」「三猿」「北極星」「薬師如来」「摩多羅神」「北斗七星」そして「三十六歌仙絵連続強盗殺人事件」。
東照宮を中心軸とする膨大な謎は、ひとつの無駄もなく線でつながり、時空を超えた巨大なミステリは、「深秘」を知る崇によって見事解き明かされる。
ミステリ界に屹立する「QED」の第四弾。

yahoo紹介より

QED』再読も4冊め。
今回は日光東照宮。栃木ですな。栃木といえばギョーザ。
ということで、宇都宮には行ったことがあっても東照宮にいったことはありません、はい^^;;

今回もこれまでのシリーズ同様、現実の事件と歴史の謎の強引なまでのリンクが堪能できます。
特に動機の部分では相変わらず、「こんなやついるのか~~~~???」ですが、最後のタタルさんの答えに、小松崎同様妙に納得させられてしまいました^^;;
ちょっと面白いな~と思ったのは、これまでの作品に比べると歴史の謎的な部分がミスリードとして活用されてるところですかね。
犯人もシリーズの中では意外性があったんじゃないのかなぁ。
一方ではタタルが検証しているのに、犯人の視点がずれてるところがちょっといい。
最近のシリーズは、ずれるどころか別の世界にいってる気がしますが(笑)。

さてさて本題の歴史の謎。
東照宮の配置やそこに関わってくる陰陽道の細かい部分はさっぱり頭に入ってきませんが(この話についていける奈々ちゃんが凄すぎです。愛の成せる技?)、最終的に導き出される結論には、おお~~~~。
恣意的な要素も感じないではないですが、それを超えるインパクトがあった気がします。
天皇家と徳川家、そして『陰の宰相』と呼ばれた南光房天海。
三家が繰り出す呪の仕掛け合い。『帝都物語』の加藤もまっさおの龍脈をめぐる死闘(笑)。
最終的にタタルがつむぎだした世界、日光東照宮の祭神とその配置の謎。
おそるべし天海!!
そこから戊辰戦争の因縁まで結びつける犯人も強烈すぎますな^^;;
でも、ほんと最後の方はとばっちりのような殺人を起こしてるし。

ううむ、ここまでは面白く読めてるぞ。
いったいどこからこのシリーズという謎はまだ解けない。。。


採点  ☆3.3