『毒草師 白蛇の洗礼』(☆3.6)

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まずはあらすじ。

濃茶の席で、裏千家教授、大澤信郎の次男・祐二が毒殺された。事件とはまったく無関係の編集者・西田は、会社の業務命令を受けて調査を始める。
やがて、容疑者とされる美女・神凪百合に淡い思いを抱いた彼は、彼女への疑いを晴らすため、事件解明に向けて奮闘する。
しかし、その後も続発する毒殺事件を前になす術もなく、隣室に住む、自称"毒草師"の御名形史紋に相談を持ちかけた。
数日後、関係者一同の前に颯爽と現れた御名形は事件の謎を看破し、大澤家が隠匿し続けた秘密を暴き出した!
「千利休=キリシタン」説が呼び覚ます、殺人の系譜―。驕慢尊大な男・御名形史紋の推理が冴える。

yahoo紹介より

御名形史紋を主人公に据えた『毒草師』シリーズ第2弾。
前作は本家シリーズに疲れきった読者にも読みやすいという親切設計。
そして今回はその設計に磨きがかかったというか、本家とも合わせて一番読みやすかった気がします。

その理由は・・・やっぱり西田くんが普通だから(笑)。
いや、普通といっても私のような凡人よりはいろんなこと知ってる気がしますが、それでも『Q.E.D』の奈々ちゃんよりは。
奈々ちゃんはフツーは知らないだろ~ってこともタタル愛(?)で習得してるせいか、タタルさんの薀蓄もそれに合わせて濃厚。
逆にコッチは西田くんにシモン愛(?)がないせいか、知識も初心者向け、御名形の薀蓄も初心者向けに仕上がってるというところ?

ミステリとしては、どこか山村美紗の世界のような拵えになってたと思うのは私だけ?
だって茶会、連続殺人、後継者・・・ときて、これで舞台が京都だったらもう完璧でしょう(笑)
そんな風に感じながら読んでたら、事件の真相に悶絶。
これほど殺そうと思って殺したんじゃない!!っていう言葉が似合う犯人はいないんでは?
巻末の参考文献をみてもこの部分に関して・・っぽい本はないので、この設定はまさに空想?
もうひとりのすごい○○の持ち主については、そ~いう人もいるというのは聞いたことがあるし想像ついたんですが、さすがにコッチは^^;;
あまりに奇想天外過ぎて、しかけられた叙述の仕掛けも霞みっぱなしですね^^;;
というか、この犯人はなんで○○な人になったんだっけ^^;;
(1週間前に読んだのに忘れたんですが。。。)

そして、本編のもう一つのなぞ。
千利休」とはなにものなのか?本当にキリシタンなのか?
なかなか強引な論理ではありましたが、なかなかに楽しめました。
この説自体は知ってたのもありますが、やっぱりなんとなく知識があると頭に入ってきやすいんでしょうね~。
実際この本を読んでるだけでも、いろいろ謎めいたところがあるんだなと改めて思いました。
でも名前の真実に関してはさすがにね^^;;

そしてこのシリーズの真の主役、西田くん!!
ど~せ今回も・・・という予想はあたりましたが、それにしてもラストのサプライズはある意味前回よりも立ち直れないかも(笑)
いつか西田君が幸せになりますよう・・・。




採点  ☆3.6