『Death note another note ロサンゼルスBB連続殺人事件』(☆4.0)


■JC2巻に登場した、「ロサンゼルスBB連続殺人事件」が小説の舞台。
JCではたった1コマだったが、小説ではその真相が明らかにされる!
Lと南空ナオミが難事件に挑む!!


yahoo紹介より

お久しぶりです。
現場実習前半終了。
気が付くと、7月8月でこの記事が3本目なんですね、トホホ^^;;;

だいたい今読み進めてるのが、井沢さんの『逆説の日本史』シリーズだから感想書きづらいし^^;;
ま、そのへんはもう開き直ってまったり更新していきたいと思います。

で、今回は西尾維新
図書館に予約した段階ではこんなにまわってくるのが遅くなるとは思ってなかったのですがねえ。
なんだか、一番いい時期を逃してしまった果物を目の前にしたようです。
まあ、『DEATH NOTE』も「西尾維新」も好物ですからね。

同時企画だった『×××HOLiC』のノベライズでは、それぞれの魅力がイマイチ噛み合ってない気がしたが、こちらに関してはよく纏まってたと思う。
マンガではほとんど登場しなかった南空ナオミとLとの出会いという原作のエピソードに関するオリジナル・ストーリー。
ナオミのキャラクターに若干違和感があり、また語り手を務めるメロってこんな奴だっけと気にはなりましたが、全体としては違和感なし。
どちらかというと、『DEATH NOTE』的要素を強くして節々に西尾節という感じでしょうか。

内容としては維新にしてはきっちりとした本格ミステリ小説。
ダイイングメッセージやミッシングリンクの緩さ加減はいかにも現代的な部分があるものの、原作の緻密すぎるといっても過言ではないパズル的要素の流れを継承してると思う。
密室に関してはトリックは平凡ここに極まり(確信犯)ですが、「なぜ密室なのか」という部分もきちんとらしい肉付けをしてると思う。
さらにはマンガのノベライズという括りを最大限に活用したミスディレクションも心憎い。気づく人も多いと思うが、私は思いっきり引っかかったし、犯人逮捕の場面では唖然としてしまった。

全体としてはボリュームこそないものの、どちらのファンもそれなりに楽しめる小説になってるし、どちらを読んでなくても楽しめると思う。
ただしどうしても気になる部分は残った。


以下ネタバレでございます。





















この事件の犯人であるビヨンド・バースディ(以下B。登場人物紹介ですでに犯人と書かれてます。)の動機は理解できるが、果たして事件がBの思うとおりに進んだとして彼の望んだ結果が得られたかどうかという疑問が最後まで残った。
LとBがお互いの存在を知らないのであれば、第4の事件が成功した事件でBの仕掛けた完全犯罪が成立した可能性はあったと思うのだが、この2人は同じ孤児院で育ちそれゆえにLは事件の裏にBの存在を感じ取り、またBもLに感じ取られることを前提に犯罪を犯している。
そういった段階においては、最後の事件が仮に成功したとしても、その裏にあるBの計画はLに看破されてしまうと思うのだがどうだろう。
このあたりに関して言えば、原作のマンガにおけるLと犯罪者キラとの関係に引きずられてしまったのかもしれない。。。




採点  4.0