『宇宙捜査艦《ギガンテス》』(☆2.0)



殺人現場は密室―!?汎用小型宇宙惑星「SV998」の地球環境居住区で発見されたのは、地球人の親善大使の死体だった。事件の担当を命じられたのは、乗組員すべてが宇宙軍諜報部所属の特別捜査官である、捜査艦「ギガンテス」菜葉樹人のリコッロブ艦長、地球人のシュトルム副長たちは、亜空間ワープ航法で現場へと急行する。ザルルン帝国の和平のために派遣されていた大使は、なぜ、無惨な死を迎えたのか?本格推理小説の旗手が初挑戦する長篇SFミステリー意欲作。デュアル文庫オリジナル。

yahooより

実はこの本、二階堂さんの中で数少ない未読の一冊でした。
なぜならタイトルやあらすじに危険な予感がしたから。二階堂さんに関するこういった予感は割りと当たるので、手を出していなかったのですが、ゆきあやさんの「増加博士と目減卿」の記事のコメントで触れたついでに、手にとってみました。

ゆきあやさん、ぎがんてすの正体はこれでした(笑)。

いやあ、予感が当たった。。。
とにかく読みにくいし、つまらなかったぞ~。

お題目はSFミステリー。といっても全体の3/4はSF的要素。宇宙空間の移動理論や戦闘シーンがこれでもかと繰り広げられています。
残りの1/4の部分である密室殺人に関しては、非常に無難な出来。SF的設定をきちんと組み立てているものの、書き込み不足な部分も感じられて若干評価しにくい。
一応伏線はきちんと張ってはいるものの、一番分かりにくい動機の部分がちょっとラフすぎるかな~。

ま、それはおいといて作品の3/4を占めるSF部分の出来がすこぶる悪い。
まずそれぞれの宇宙人の言語に特徴をつけているものの、それがほとんど悪い方向に働いてますな。
ゲドババァ」 や「ガルルゥ!」「ゲゲゲェ!」といった言葉尻につく擬音語が、雰囲気をだすというよりも読みづらいだけ。
ギガンテス>の乗組員の名前が、d@@@@*リコッロブだったりデセル・クル○○ヤ・□・キン×少尉だったり。
いったいどう発音するねん。しかも後者なんて読み終えてみるとどこに出てたっけてな感じだし。

そもそも作中に登場するSF的要素、あるいは単語がすこぶる理解しにくい。
いやもちろんスペースオペラですから、私の知らない単語もあるだろうし、オリジナルの用語もあるのはいいんです。
でもそれがどういったものかは、どんなSFでもきちんと伝えるべきだと思うのですが。
とにかく作中に登場するものが、漠然とでもどういったものかイメージが沸かないので、戦闘シーンなんかはもうほとんど斜め読み。

正直これをSFというには、少々他の作品に失礼だと思うのですが、どうでしょう。
それともそう思えるのは、自分がSFを読みなれてないせいなのかな~。

全部で200ページちょいの作品なんですが、ほんと読むのに気が進まない作品でございました。


採点  2・0