「今月のマイBEST&カルトミステリー(2007年2月分)」

新年最初の月ベストでございます。
が、振り返ってみると12月のベストを発表していない!!
年間ベストにかまけている間にすっかり忘れてましたよ。
ということで今回は年間ベストの発表以降に読了した12月分の作品も含めてランキングを作ってみます。


1月



今月は23冊。先月と一緒ですね。
いやあ、でも最近読書ペースが落ちているような気がします。決して厚い本が多いってわけじゃないんですけどね。
ではさっそく始めましょう。


第5位  ●『Q.E.D.証明終了 26』  加藤 元浩
第5位  ●『中庭の出来事』(☆4.0)  恩田陸

今月は迷ったすえに5位を2冊挙げさせていただきました。
漫画『Q.E.D』はミステリ漫画としてもさることながら、短編集的漫画の中では意外とおろそかにされている時間の積み重ねを感じさせる部分が出色の出来だと思います。
もう一つの恩田さん。もうダメな人は絶対ダメな作品。でも恩田ファンだからこそ、こういった作品を楽しめる贅沢があるのかもしれません。とにかくらしい作品でした。



もはや業界一のラブコメ小説と呼ばせていただきましょう(笑)。
これでもかと畳み掛けるじれったい恋愛模様にもう悶絶。手塚&柴崎の恋の予感。
かっこよすぎる稲嶺指令&玄田&郁パパ、ついでに茨城県知事(笑)の渋さに乾杯です♪



抜群のユーモアと笑えない親父ギャグが持ち味・・・
と言ってきましたが、今回の親父ギャグには笑ってしまいました。
くだらない中にこそっとヒントを隠している侮れなさ、とにかく猫・猫・招き猫を遺憾なく消化した、実に良くできた小説だと思いましたね~。
今まで読んだ著者の作品の中では一番好きですね。



先月2位の上巻につづいて下巻も2位にランクインです。
好き嫌いはあるのかもしれないが、圧倒的なまでの会話作りセンスとキャラ造形のユニークさに脱帽。
とくに変態エロ女子高生(本当にエロなのだ!!)は出色の出来だと思う。
現時点での西尾作品の最高傑作だと思うし、僕自身はあまり読んでいないが皆さんの評価が高い舞城王太郎や、伊坂幸太郎に匹敵する才能の持ち主だと思う。
個人的にはそろそろ直木賞の候補に挙がってもいいと思うのだがどうだろう。


実に久々のミステリ以外の海外小説。
しかしやられたこのセンス。とにかくモダンホラーだのなんだというのを超越していると思う。
静謐な空気の中でゆったりと溜まりゆく避けようの無い怖さ。
エピローグ手前の駅の場面はまさに幻想とホラーの極み。ご紹介いただいた皆さん、ありがとう♪



やはり今月はジョナサン・キャロル。久々に再読した海外小説に出会った。
一方で西尾維新。このシリーズを読んで、今まで自分が彼を高く評価していたのは間違いでないと確信した。
新青春エンタ、あるいはライトノベルなぞでは括りきれない彼の才能を堪能した気がする。
シリーズ物でも収穫が多く、飛びぬけた作品こそ多いものの安定して楽しめた気がします。
それにしても「G]シリーズはなあ。。。


では最後に、今月のカルトな1冊


ゆきあやさん曰く、誰が買うんだこの本を?
僕もそう思っていました。
それでも図書館で借りてしまったのは密かにJDCシリーズを全読破してる性からなのか。
小説としてはそんなに面白くないと思う。
しかしあの清涼院流水が、至極まっとうに役に立つ人生成功学を語っている。
これほどのカルトが他にあるだろうか!!


今月のBEST&カルトは以上です。
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