『森博嗣のミステリィ工作室』



ミステリィを書く上で、影響を受けた100冊をセレクトした「ルーツ・ミステリィ100」、犀川&萌絵シリーズの自作解説「いまさら自作を語る」の他、同人誌時代の漫画、専門誌に寄稿したエッセィ、山田章博荻野真ささきすばる三氏が語る森博嗣像も収録。森ミステリィの魅力と秘密に迫る、充実の個人読本。

yahoo紹介より

いわゆるミステリィ作家森博嗣のルーツを語るエッセィ集。
この企画本を読むのは有栖川有栖氏以来2冊目ですな。

最初に森さんが選ぶミステリィ100選のタイトルと採点が乗っていますが、なんとなく森さんらしいなと(笑)。
特に目に付くのがクラシカルな謎解きのロジック的な作品が多いのかなということ。
コリン・デクスターがあったり、綾辻行人は『水車館の殺人』、法月綸太郎は『雪密室』だったりするのがらしいなあ。
ただ、『三好達治詩集』『石川啄木詩集』なんかはどう見てもミステリィとは思えないし、なぜミステリィと思うのかということに一切触れないのはどうなんだ(笑)。

その後に『地球儀のスライス』までの自作を振り返っとります。
まあ多少偉そうなのはおいておいて、作品の書き方はいきなり書き始めながら考えるというのはビックリ。
あれだけの物語をリンクさせているのはすべて後付なのか?恐るべしだ(笑)。
自作に対する評価も結構読者と違うような気がしますが、それに関しての森さんの主張はわかりやすい。
でも『笑わない数学者』の逆トリックはやっぱりどうかと思うぞ。

そのあとに萩尾望都との対談や、同人誌等に発表された漫画が収録されてたりと、ファンにはたまらない(ファンにしかたまらない)内容です。
でも最後に収録されてた『ミステリィにおける法則集』や『ミステリィ読者の十戒』は面白かったです。
まあファンなら手にって見れば面白いけどって感じですかね。