『図書館戦争』(☆4.2) 著者:有川浩



正義の味方、図書館を駆ける!―公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として『メディア良化法』が成立・施行された現代。超法規的検閲に対抗するため、立てよ図書館!狩られる本を、明日を守れ。

yahoo紹介より

本の雑誌」2006年上半期エンターテインメント第1位でございます。
偶然に図書館で続編の「図書館内乱」を借りる事が出来たので、久々に新刊購入(←年内の話ですが^^;;)。
詳しい粗筋は冴さんの記事にてどうぞ~。

うん、もうこれ以上ないというぐらい典型的なエンターテインメントでした。面白かったです。
最初は図書館に就職した主人公が、軍事オタクの先輩達に巻き込まれみたいなストーリーを想像してましたが(知らないにも程がある?)、全然違いました(笑)。
まさか架空の近未来で起こる図書検閲をめぐるホンマモンの戦場劇とは^^;;
作中に登場する『日野の悪夢』・・・かつて日野市在住でその図書館を利用してた僕としてはついつい記憶を探ってしまいました。

それはともかく戦闘シーンあり、ドタバタコメディあり、職場恋愛あり、主人公はあこがれの王子様を探す為に同じ職場を選んでるし。
著者が後書きで語ってる通り月9ドラマ風を目指したというだけであってとにかく分かりやすいですな~。
登場人物達もそれぞれクセがありつつも、基本的に分かりやすい精神構造をしているので物語の中に入りやすかったですね~。
ちなみに図書館で一番偉い人稲嶺指令、なぜか児玉清を当てはめてしまいました(「HERO」の影響?)。

基本的に文章も平易で分かりやすく、登場人物達の会話のやり取りも中々に面白く、リズムがいいので読みやすいです。
特に主人公笠原郁のストレートなキャラは直情的な単純思考回路が愛らしくて共感しやすい。
彼女とルームメイトの情報屋(どういう女性だ)の会話が好きでしたなあ~。
一方で痛烈なメディア批判もきちんと(?)盛り込まれていて、考えさせるところも多々ありました。
その中でも個人情報の公開という部分の難しさはいまだに僕の中で解答がでておりません。

ただ基本的に1アイデア炸裂という印象なので、果たしてどこまで続編が面白いのかがちと不安。
もうすでに読み始めておりますが、この作品の冒頭で語られた両親登場から始まりますし、どこまで飽きさせずに読ませるか、いっちょう拝見といきましょう(←偉そう)。