『2006年私的ミステリベスト30②(20~11位)』

は~い、前置きは省略しまして、20位から11位までの発表ですよ~♪

2006年私的ミステリベスト30①(30~21位)はこちら


20位  『過ぎ行く風はみどり色』 著者:倉知淳

今年はある意味猫丸先輩の印象がガラッと変わった年でもありました。そういう意味ではこの小説の猫丸先輩が一番好きかも。はた迷惑な所は抑え気味ですが、その分優しさに溢れてる!?
トリックがストーリーに与える影響がとても切ない素敵な一品ではないかと思いますです、はい。


19位  『砂漠』 著者:伊坂幸太郎

基本的にこういうどこか気恥ずかしいところのある青春小説には弱いのです。不思議なのは登場人物は他の伊坂作品に比べるとけっして魅力的とは思えないのにいつのまにか物語に引き込まれる。ストーリーテラーとしての上手さが出た小説だと思いました。


18位  『法月綸太郎の功績』 著者:法月綸太郎

この短編集、全部3冊でております。結構人気が分かれてる中ではこちらを挙げましょう。なにより第55回日本推理作家協会賞短編部門受賞作『都市伝説パズル』の完成度の高さが強烈でした。
この1冊だけでも十分買う価値あり?


17位  『神様ゲーム』 著者:麻耶雄嵩

たとえそれがミステリーランドでも麻耶雄嵩はやっぱり麻耶雄嵩でした。ゆきあやさんの「子供とか大人のミステリファンとかいうものでなく誰向けやねん」というコメントがすべてを物語っているような気が^^;;とにかく読んで判断してくださいまし。。。


16位  『福家警部補の挨拶』 著者:大倉崇裕

既読作家で今年もっとも印象が変わった作家さんはもしかしたら大倉さんかもしれない。そんな著者の新シリーズ。コロンボへのオマージュがたっぷりでオリジナリティはやや弱いのかもしれませんが、それもまた方法論の一つなのでしょう。とにかく早く次回作が読みたい。。。


15位  『三月は深き紅の淵を』 著者:恩田陸

今年新たに読み始めた恩田さん。非常に感想が難しい作品で、そこかしこに恩田流不条理感が溢れていながら、それでもなお読者好きには堪らない何かがある作品。
以降の他の作品への広がりも含めて決して外せない作品だと思います。


14位  『名もなき毒』 著者:宮部みゆき

まさかあの『誰か』の杉村三郎が帰ってくるとはという意味で意外な作品。でも中身はやっぱり宮部流社会派ミステリだと思う。決して直接的ではないじわじわと滲み出てくる悪意の存在の描き方、まさに真骨頂。
こういう小説を欠かせたら、現時点は他に比する人がないんじゃない?


13位  『マドンナ』 著者:奥田英朗

ちょっと時間がある時に既読本を読みたいな~、と思うときについつい手に取ってみたくなるような作品。
平凡な世界を平凡なまま描き、大きなドラマも無く終わる。それでも読み終わると心が温かくなる。
これはもう著者の上手さというほか無い。未だに予約が回ってこない『ガール』、読みたいよ~~~。


12位  『銃とチョコレート』 著者:乙一

今年読み始めた作家さんの中では恩田さんと並び最も印象に残った作家。ミステリーランドという事でどんな作品を書くのかと思ったら、また新たな作風を開拓した印象。
それでもなお乙一以外の何者でもない魂を感じさせる。まだまだ勢いが止まらない。ああ、早く新作を~。


11位  『黄金蝶ひとり』 著者:太田忠司

太田さんの中でも現時点は最高傑作だと思います。まさにミステリーランドのお手本ともいうべき、子供心をくすぐる謎とそれを包む冒険譚。最後の最後まで楽しめ、読了後さらに読書の幅を与えてくれる、という意味ではぜひ子供に読んでほしい作品でした。


ってな感じになりました。はたして皆さんのご意見は?
そしていよいよ10位~1位に続きます。。。