『ディープインパクトから禁止薬物検出!!』

昨日は驚いた。
日本競馬史上最強馬とも言われるディープインパクトが、先日3着に終わった凱旋門賞において馬体から禁止薬物といわれるイプラトロピウムが検出されたそうな。
詳しい内容を毎日新聞から引用する。

日本中央競馬会(JRA)は19日、パリで1日に行われた凱旋門賞で3着だったディープインパクト(牡4歳)の尿検体から、欧州競馬で禁止薬物とされているイプラトロピウムが検出されたと発表した。フランスの競馬統括機関・フランスギャロから同日、JRAに報告があった。8月の渡仏後、現地で受けた治療の際に投薬された。
 今後、ギャロの審査委員会が関係者から事情を聴き処分を決めるが、失格になる可能性もある。失格の場合、レースの3着賞金(約3400万円)の返還を求められるほか、罰金が科される。

 JRAによると、イプラトロピウムは欧州などで流通する人間用のぜんそく薬で、気管支を拡張させる作用がある。日本の競馬法では禁止薬物に指定されていない。
 JRAの金田裕之審判担当理事は「ギャロからは『ディープインパクトの今後の出走を制限する罰則は考えていない』と連絡を受けた」と語り、日本での出走に支障はないとの見解を示した。ディープインパクトは29日の天皇賞・秋への出走も視野に入れ、東京競馬場で調整を続けている。
 G1通算5勝のディープインパクトは帰国後の11日、年内限りでの引退が発表された。引退後は種牡馬になる予定。

 ▽武豊騎手の話 ただただ、驚いています。内容も詳しいことも分からないので、今のところはコメントすることは控えさせていただきます。

 ▽池江泰郎調教師の話 禁止薬物が検出されたことについて大変驚いており、信じられない気持ちでいっぱいです。原因が究明されていない段階ですので申し訳ございませんが、コメントは一切差し控えさせていただきます。

 【ことば】イプラトロピウム 気道が狭まるのを予防する働きがあり、人間用としては気管支ぜんそくの薬として厚生労働省から認可されている。休息時に主に働く副交感神経の働きを抑えるため、服用すると戦いや逃走などの際に働く交感神経の働きが相対的に強まり、興奮剤としても作用する。「日本アンチ・ドーピング機構」によると、スポーツ選手の禁止薬物リストには含まれていない。馬に対しても同様の働きがあるとみられるが、JRAの禁止薬物リスト65種類にも入っていない。農林水産省によると、動物用医薬品としては認可されていない。

それ以降の報道によると、訪仏後体調を崩したディープの為にフランス人獣医師が処方した薬の中に問題の薬物が入っていたそうな。
この薬物は投与後1週間程度で体内から成分が消えるそうで、投与した獣医師も厩舎側にそう説明したもののレース直前にも誤って投与したらしい(ギャロ関係者のコメント<ギャロ=日本でいうJRA>)。
一説では欧州馬には勝たせない為の陰謀説というのも流れているわけだが、いくらディープが世界的にも高い評価を受けているとはいえ現状の日本馬にそこまでするとは少々考えにくい。となるとやはり管理側の責任の可能性が高いのだろう。
元々この薬物、JRAでは禁止対象になっておらず(国内の検査では一度も確認されてないそうな)、そういった意味では厩舎側の方で禁止薬物に対する認識の齟齬があったのかもしれない。とはいえ、一般的に考えればギャロ側からは出走馬管理者には禁止薬物の一覧は説明されているだろうし(そうでなければそれはそれで問題だが)、そういった現状では管理者側のミスだろう(意図的に薬物を混入したとは考えにくい。国内レースでは使われてないものでありその効果に関してのデータが無いから)。

とはいえ、今年限りの引退を発表しているディープのこれからに陰を指したのは間違いない。
おそらくは天皇賞・秋ジャパンカップ有馬記念という古馬秋三冠に挑戦する予定であったと思われるが、場合によってそれらに出走せずこのまま引退というのも考えられる。
そうなってはあまりにも寂しい。少なくともファンはそんな事を望まないと思う。
ふと思い出すのはかつて短距離界に君臨したトロットサンダー。この馬は当時短距離に敵無しと言われた名馬だったが、G1レース勝利直後に馬主の名義貸し問題に巻き込まれ、引退レース・引退式も行われぬままひっそりとターフを去った。
サンデーサイレンス亡き今、種牡馬としてもこれからの競馬界の期待を一身に背負ってるだけに、厩舎側はこの事件を真摯に反省し、ディープの花道を飾って欲しい。
なにより馬にはまったくなんの責任もないのだから。。。