今月のマイBEST&カルトミステリー(2006年9月読了分)

いやあ今月は忙しかったですよ~^^;
という事で読んだ本は下記の通り。



計21冊。先月と同じです。
途中北海道旅行に行っていたりしたことを考えるとまずまずのペースでしょうか。
内容的にも今月は外れが少なかったような気がします。
それではさっそくいってみましょう。


これが2冊目の宇月原さんですが、最初に読んだ「安徳天皇漂海記」で不満だった部分がこの作品にはまったくありませんでした。
っていってもこちらの作品の方が古いのですが^^;;;
ただの伝奇SF時代劇に終わらず、随所に散りばめられた史実が装飾として有機的に機能しているというか。普通であれば虚構を史実の装飾にするのに、この小説はまったく逆のベクトルを行っているという意味で素晴らしいと思います。



実に久しぶりの再読。やはり面白かった。僕の中では「重力ピエロ」と甲乙つけがたい伊坂さんのベストですね。
さてさてこの小説の映画、どんな風に仕上がってるんですかね~。読まれた方はわかると思うんですが、ネタ的に非常に映像化しにくいんですよ。
だから見てみようと思います。その前に方法論を推理してみよっと♪



初重松さんですが、広島が生んだヒーロー(?)ヒバゴンをモデルにしただけで僕のハートを鷲掴みです(笑)。
それはおいといても、とても素敵な青春ストーリー(というにはやや年齢高めですが)に仕上がっています。
ああ、ヒバゴンに会いたい♪そういえば小学校の教科書にもヒバゴンの事載ってたな~。



惜しくも次点。その差は万人に勧めるにはやや重いというだけ。是非読んでもらいたいという意味では1位の同格です。
現行の少年法が施行させる前の時代の話ではありますが、小説内で描かれるテーマの難しさは現代にも通じます。
ぜひとも多くの人に読んでもらい、そして考えて欲しい事がたくさん詰まった小説でした。



今月の1位はまたしても恩田さん。これで毎月ランクイン更新かな?
恩田さんといえばややもやもやした結末が売りのようなところがあって、その部分でやや評価が分かれるところがあるかもしれませんが、この小説に限っていえば恩田さんが苦手な人でも十分楽しめると思います。
著者の演劇に対する造詣と思いが溢れた、とにかく胸に迫ってくる物語。演劇人はこれを読むといろいろな想いが湧き上がってくるんじゃないかなあ~。


最初にもいいましたが、今月ははずれがほとんど無かったですね。伊坂作品はどれも楽しかったですし、森作品も最後の大仕掛けに向けて物語が加速しているような気がしないでもないですし。その中で島田御大の不振ぶり(?)が気になります。もうそろそろ「主張する」小説を離れてほしいという気がしてしょうがありません。


では最後に、今月のカルトな1冊


今月もまた、これはやばいぜ!!という小説はあまりありませんでした。
とうことで、「戯言」シリーズの辞典であるこの1冊を挙げます。正直「戯言」シリーズのファン以外が楽しめるかというとかなり微妙ですが、逆にファンにとっては予想以上に面白い本なのではないかと。西尾氏自らが書き下ろしただけあって、たんなる辞書にはとどまらず裏ネタ満載で、結構なるほど~と思ったり、えっそうだったの?という事があったり。この価格だとわりとお買い得なんじゃないかな~。



ということで、今月のBEST&カルトは以上です。
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