『じさ句を振り返る』~『第一回本楽家協会川柳大賞』より~

いきなりくだらないダジャレで申し訳ない・・・・ここでは『第一回本楽家協会川柳大賞』に投句した自分の句を改めて披露するとともに、その生業を少し振り返ってみようと思います。
それにしても、計36句ですか、われながらよくもまあ詠んだものです。川柳というのは正直まったくのど素人、授業の課題で何句か詠まされた程度で、実質初めてのようなもの。そんな僕がかくも多くの句を読めたのは、ひとえにアニス事務局長の素晴らしい運営手腕を初めとし、参加されたみなさまの熱意があってこそと思います。
あらためて、御礼申し上げる次第でございます。

この36句、よく言えばバライティに富んだ、悪く言えば一貫性無くタラタラと詠み連ねた句の数々で、改めてみても出来不出来の差が大きいように思います^^;
次回は作品の質ももっと向上させていきたいと反省する次第でございます^^;その反面、作者当ての企画においてはこの統一性の無さが予想屋の皆さんをわりと間違った解答に導けた部分も多々あったようで、結構ほくそ笑む事が出来たのは面白かったかも♪(ああ、性悪ッ!!)

前置きはこれぐらいにしてそろそろ句を振り返ってみますね。

雨-16 わが家族雨幸いと本を読み たいりょう 1(1)
記念すべき(?)初投句。うちの家族はこんなもんです(笑)。このときのコメントに、「とりあえずこれで団長として最低限の義務を果たしたかな」と書いております。
まさかのちに最多投句争いをする事になるとは思ってもみませんでした^^;

古-24 古里の薫り残すは本ばかり たいりょう 2+1(3)
他-36 憧れの小説の街姿変え たいりょう 2+3(5)
これは僕の懐古趣味的なところがでた句ですね。個人的に映画の街広島県尾道市のJR駅前が再開発されたことに結構ショックを受けました・・・。

読- 7 千年の時を越えなお読み継がれ たいりょう 3+3+2(8)
読- 8 いにしえの読書の愉しみ現代(いま)も変わらず たいりょう
実はこの2句を読んだ頃は、漫画「ヒカルの碁」を読んでいました。多分その影響が多分に(笑)。

古- 2 古本を求めこの街明日はあの街 たいりょう 1+1(2)
古- 4 古本屋積まれし山に宝眠る たいりょう
古-12 古本を読ませるためにダブリ買い たいりょう
雨- 7 雨宿りどちらを買うか傘と本 たいりょう 2(2)
古本に関する3句。とくに古-2は作者当てでちいらば会長と思われた人も多かったような^^;
古-12に関してはよくダブリ買いをして、これ面白いから読んでみてよという布教活動(なんの)を行っております^^;
雨- 7は、結局本を買ってしまうことの方が圧倒的に多いです^^;

 
他-33 清涼院頭の中がコズミック たいりょう
他-34 清涼院読んでも読んでもカーニバル たいりょう
清涼院ネタ2本です。実は結構的を得ている句なのではないかと、密かに気にいっております。「ジョーカー」も考えたんですが、思いつきませんでした^^;
結構作者は分りやすい句だと思いましたし、実際に当てた方もいらっしゃいました♪

他-22 美味探求グルメ本より正太郎 たいりょう 1(1)
他-23 鍋囲む小兵衛と鬼平夢に見て たいりょう 2(2)
他-23は「協会付属食堂おたふく賞」を頂きました♪僕が池波正太郎先生のファン(特に「剣客商売」が大好き)という事はほとんど語った事がなかったので、作者当てでは結構波乱を読んでしまいました^^;さすがにあざらしさんは誰が詠んだ句かすぐに分ったようですが。でももしこんな光景があったら襖の陰から二人の会話を愉しみたいものです。他-22は、もう池波先生の本を読んでると登場する料理が実に美味しそう!!ということを一言言いたかったので^^

雨- 5 軒下で雨を避けつつ本を読む たいりょう
雨-24 雨音に耳を酔わせて目は本に酔い たいりょう
雨-29 静けさに読む目を移すと雨が虹 たいりょう 3+2+3+2(10)
雨-29はお題「雨」賞2位、そして今回僕の句でももっとも得点を頂いた作品となりました。ありがとうございます。実はこれは、5→24→29の三部構成として投句させて頂きました。つまり数少ないちょっと考えて詠んだ句でありました^^;ただやはり同じような情景を詠まれた他の方の句を拝見するとどれも素敵なものばかりで、正直もっと練ればと反省しました^^;

他-25 賞よりも正体気になる直木賞 たいりょう 2(2)
他-26 暴言を吐くより本読め慎太郎 たいりょう 1+1(2)
これはもう後悔しきりの句で^^;こんな事を言える程自分も本を読んでいないだろう~と反省しております^^;;でも、実は宮○輝先生用の句も考えたりして・・・(笑)。

他-24 料理本だから出汁ってどう取るの? たいりょう 1(1)
他-28 昼休み飯を食うより本漁り たいりょう 1(1)
他-29 弁当を食べつつ本読み飯こぼし たいりょう 2(2)
他-31 旅の友酒とつまみとカッパ印 たいりょう 3+1+1(5)
食べ物・飲み物系のネタですね。他-24、現在家族の食事は全部僕が作っていますが、当初はほんとに出汁3カップとかブイヨン2カップとか意味が分らず苦労したのを思い出しながら詠みました。28,29はまさに日常です。これをしながらむせると悲劇ですよね^^;;
31、これはやっぱり憧れの定番(?)ですよね(笑)。当然カッパの中でも西村京太郎先生の作品が一番似合うでしょうか^^

読-10 本を読み気になる言葉にまた本を読み たいりょう 3+2(5)
読-18 乱筆にいつかは化けると読み続け たいりょう
雨-23 雨音をバックに『雨』の本を読む たいりょう
他-38 行間に埋もれし想いに心馳せ たいりょう 3(3)
読書に関する4句です♪読-10に関しては、本に関する広がりの一つの傾向ではないでしょうか。読-18、特にミステリ系が好きな方には思い当たる作家の一人二人はいるのではないかと(笑)。他-38は、間違いなく最近読んだ恩田作品の影響がでてますよね♪

読- 5 泣かぬなら読ませてみようあの本を たいりょう 2+2+1(5)
他-15 漱石を買うと消えてく諭吉さん たいりょう 3+1+3(7)
他-16 吾輩と三毛猫ホームズどちら飼う? たいりょう
わりとユーモア系?読- 5は、予想通り同じような傾向を考えられた作者さんが何人かおられてちょっと一安心♪
他-15は外出中に思いつき、帰宅後投稿したのですが実はその時ちゃんと思い出せず急遽作り直したものです。ホントは「漱石を買うと諭吉が消えていく」を投稿しよと思ってんですね^^;;でも2名の方に一位に選んで頂き嬉しかったです♪他-16、一度は考えたことありませんか?

他- 5 図書館の本を枕に夢心地 たいりょう
他-32 ビニ本の自販機なぜか声が出て たいりょう 2+3+3+1(9)
両方とも実体験を元にしております。ちなみに他- 5の場合、汗や涎で(笑)本を傷めぬようタオルを折ったモノを本の上にかぶせるのが王道ですね。だったらするなよ、という話ですが^^;
そして他-32。まさかこんなに点数を頂けるとは(笑)。っていうかなぜか女性陣に僕が作者だと思われてたのが心外で(って実際当たってたんですが)。あれはまだ初々しい中学生の頃、昼間友人の家に遊びに行った帰り、ひっそり(?)と佇む自販機を発見しました。夜になり、こっそりと抜け出した私は自転車で自販機の元へ。あたりを窺いながら、お金を投入しおもむろに購入ボタンを押すと、「ありがとうございま~す」の大音声が深夜の住宅街に・・・しかも音楽付。バレバレです・・・・焦りました・・・すぐ逃げようと思いました。しかしさすがにもったいなく、きっちり本が出てくるのを待ってダッシュでその場を離れました。それだけの冒険を経て手に入れたビニ本の中身はハァ・・・・。

他-12 イミダスにいつか載せるぜオレ語録 たいりょう 1(1)
これはわりと作者当てで別の方を想像された方もいっらしゃいました。結構わかりやすと思ったんですけどね、フフフ。でも実際こんな願望を持っております(笑)

他-41 本棚に人それぞれの歴史あり たいりょう 2+3+2+2+1(10)
これはもう間違いなくあの「本棚バトン」の影響でしょう(笑)。

他-35 絶版本読者の声で甦り たいりょう 2(2)
これはちいらば会長選定「本が好きで良かったで賞」をいただきました。その選考理由のコメント、「読者も嬉しいし、出版社も嬉しい。もちろん復刻される本もきっと嬉しいでしょう」。まさにその通りだと思います。ありがとうございました♪

他-39 本を手に幼子のそばで眠る父母(ちちはは) たいりょう 2(2)
これはメポさんのブログの記事を読んだあとに思いついた句ですね。すやすやと寝息を立てる子供のそばで本を読み聞かせていた親も寝てしまっている。なんとなく微笑ましい光景じゃございませんか。

他-44 本を愛し本を楽しむ本楽家 たいりょう
最後になりましたが、協会に捧げる句。そして内緒で投稿せずに思いっきり作者バレした句でございます。でも、知ってますよ。会長も内緒を忘れて投票に参加したのを・・・。



ながながとした駄文にお付き合いいただきありがとうございました。