『バイバイスクール 学校の七不思議事件』

講談社
                        
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一学期の終業式―今日かぎりで廃校になる大奥村小学校最後の日、校長先生はワコたち全校児童六人に、<学校の七不思議>の話をした。
そして夏休み―七不思議が、子どもたちの目の前で、つぎつぎに起こりはじめた!!
なぞにみちた怪事件をとおして、廃校になる小学校への子どもたちや先生の熱い思いをやさしくえがく、秀作ミステリー。

本あらすじより

『僕と先輩のマジカル・ライフ』以来のはやみねさん、企画なしのジュブナイルとしてはこれが初挑戦ですね~。

正直、こういう設定はツボですよ~。なんだか切なくなっちまうじゃないですか(笑)。
予想通り、学校最後の終業式(1学期で廃校というのがなお切なさを・・・)の場面では早くも泣きそうに・・・。

そして夏休み、廃校になる小学校への寂しさと巻き起こる七不思議の怪。
この七不思議が、「ひとりでに階段を上るボール」「理科室の人体模型が踊りだす」「絵の中の少女が一人増える」などなど、いい意味で捻りのないどこかで聞いた事のある噂が並びます。
思えば小さい頃似たような噂がありましたね~。頭ではそんなの噂でしかないと分かっててもどこかで信じちゃうのが子供ですよね。
ここに登場する子どもたちもそれは同じ。怖い体験をしたら、きちんとおねしょもしてくれます(笑)。

学校で巻き起こるどこかほのぼのとした事件の真相は、はっきりいって分かりやすいです。これが子供だとどうなのかな?多分ちょうどいいレベルかも。
さらには「読者への挑戦状」も入ってて、多分子供のときに読んでたらほんとワクワクしてただろうな~。
そして事件(?)の班員も簡単に推測は出来るんですけど、動機に関しては僕の想像したものにプラスされたある動機がなんともユーモラスというかこの作品の世界にあってて微笑ましいです。

安心して読める分、物足りなさもなくはないですがジュブナイルという世界で違和感なくロジックを構築しているのはすごいと思います。
小難しいロジックで頭が疲れたときは、こういう本を読んでみるのもいいかもしれませんね♪