『子供たち怒る怒る怒る』



過去の呪縛から逃れるため転校した神戸の小学校では、奇妙な遊びが流行っていた。「牛男」と呼ばれる猟奇連続殺人鬼の、次の犯行を予想しようというのだ。単なるお遊びだったはずのゲームは見る間にエスカレートし、子供たちも否応なく当事者となっていく―(表題作)。新世代文学の先鋒が描き出す、容赦ない現実とその未来。ボーナストラックとして書き下ろし二編を収録。

Yahoo紹介

今月は佐藤さんを読みまくりましたね~。とはいっても「鏡家サーガ」3冊とそのサイドストーリー1冊だけですが。
ということでそれらの人物がまったく出てこない初の小説、しかも短編集でした。

まあ、これはまた・・・・。
なぜここで終わるんだという小説ばっかりというか。作者の意図すら感じるまま放り出されてしまいました。
描かれる世界は洪水、死体嗜好、少女愛、大量殺戮、スプラッター、人形愛、レイプ&虐待・・・・これらをモチーフにした隔離された世界に心をおいてしまった子供達のお話というかなんというか。
コミュニケーションを行う事が出来ない、あるいは放棄しつつも現代社会で行き続けなければいけないという不条理感は、ある意味佐藤さんの心の代弁という気もしますが、著者の筆力がこなれてない分、結構迫ってくるものはありますね。

ただ、作品として消化されてない部分も多々あるので、読み終わったあとに何か残るかというと・・・う~ん、そこまでは
まあ心に何かを残す作品を、という要素を佐藤さんが求めてるとも思わない。いってしまえば、オナニー小説。
でもオナニーといえ本として公開される訳ですから、まわりを巻き込むぐらいのオナニーをしてみろとも言いたくなるのもまた事実。
佐藤さん、どうせならいきつくとこまでいってくださいよ。

最後に収録作の好みとしては、表題作と「リカちゃん人間」かな。