イタリアVSアメリカ

初戦をらしい勝ちっぷりで勝利したイタリアと、チェコ相手にまったく力を発揮できなかったアメリカ。
前の試合でガーナがチェコに快勝したため、この試合いかんでは大混戦のまま最終戦に突入するE組。

試合は開始直後からややアメリカのペース。初戦とは見違える動きの良さを見せるアメリカは、94年アメリカ大会を経験したボランチのレイナが低い位置から攻撃をコントロール。ドノバンのスピードを生かした攻撃でイタリアの隙を窺います。
逆にアメリカの動きに出鼻をくじかれた感のあるイタリアですが、さすがにブッフォンネスタ、カンナバロを中心としたDFラインは簡単にはゴールを割らせません。逆に前半22分、セットプレーからチャンスを掴みます。右サイドからのFK、ピルロの蹴ったボールは素晴らしいコントロールアメリカディフェンスの裏へ。そこに飛び込んだジラルディーノがフリーでダイビングヘッド。おされ気味のイタリアにとっては、流れを変える先制点が入ります。
得点を奪い落ち着いたイタリアですが、5分後にまさかの失点。右サイドCKのボールはファーポストにいたイタリアDFザッカルドの足元へ。左足でダイレクトにクリアしようとしたしまたが、ボールはクリアどころかイタリアゴールへ。
まさかの初歩的ミスで同点に追いつかれたイタリアにさらなる悪夢が。失点から1分後、デ・ロッシが競り合いの中でマグブライトにひじ打ち。一発レッドカードで退場になってしまいます。ここでイタリアは怪我上がりのエース、トッティをベンチに下げ、中盤の殺し屋ガットゥーゾを投入。なんだか94年アメリカ大会で退場になったGKの代役を投入する為に当時のエース、イタリアの至宝ロベルト・バッジョが選ばれたシーンを思い出させました。この時は決勝まで勝ち進みましたが、今大会はどうなるでしょう・・・。
数的優位にたったアメリカは一層攻撃のペースを強めますが、こちらにもまさかの展開が。前半終了間際マストロエニがピルロに対する後方からのタックルでこちらも一発退場。10対10になったところで前半終了。

後半も立ち上がりから波乱の展開。開始2分でアメリカDFポープがこの日2枚目のイエローカードで退場。アメリカは9人で後半の殆どを戦わなくてはなりなくなりました。
イタリアは数的優位を生かすべく、実質2バックの体勢で攻撃に人を割きます。しかしアメリカはケラーのファインセーブやイタリアのシュートミスに助けられ、ゴールを簡単には割らせません。逆に20分には左サイドから途中交代のビーズリーが鋭いドリブルからシュート、イタリアゴールに突き刺さります。しかしオフサイド位置に残っていた選手がプレーに関与したと判断されノーゴール。
このあたりから試合は完全に消耗戦。イタリアはなかなかシュートを決められず、アメリカもビーズリーのスピードを生かしたカウンターを狙うも押し上げる選手が足りずにチャンスがつかめません。
結局このまま試合終了。この結果全チームに予選突破の可能性を残したまま最終戦が行われることになりました。

イタリアは数的優位をつかむものの、やや個人頼みの突破が多くシュートに正確性を欠き予選突破のチャンスを不意にしました。アメリカも最終戦に望みを繋いだとはいえ、出場停止の選手を抱え苦しい状況に変わりはありません。