『鬼神伝 神の巻』 著者:高田崇史


現代に戻った天童純が、今まで自分の身に起こったことが全部夢だったのではないかと疑い始めたころ、純は六道珍皇寺に現れた小野篁によって 平安時代に呼び戻され、再び鬼神たちとともに貴族との戦いに加わることになった。一方貴族は、鬼神たちを封じ込めるために三種の神器を揃えようと、最後の 一つ、純の持つ剣を血まなこになって探していた。とてつもない破壊力を持つ「弥勒」を招致しようとする貴族たちとの激しい戦いの中、純は今まで一緒に戦っ てきた仲間を失う。素戔嗚尊スサノオ)の血を引く純が、命よりも大切なものがあると気づいたとき・・・。

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ミステリーランド』初の2冊刊行、『~鬼の巻』に続き、『~神の巻』もかましてくれます。
前作のラストで暗示があったように、主人公の純は平安の世界へ。
そして、再びオロチに跨り戦いの世界に身を投じます。

続けて読んだせいか、オープニングですでに涙ぐんでました(笑)。
前作で世界観を完成させたせいか、今回は頭からSFバトル全開、どっかで聞いたような神様仏様達が入り乱れて、普通の都人たちは大丈夫なんでしょうか?

しかしこのどこかで聞いたような神様仏様達の存在がミソ♪
作中では説明が無くはないんですが、もう殆どがスルー状態。だからといってこの物語の面白さが変わるわけでなく、気になったらいつか自分で調べてみようよ♪みたいな著者の親心が見え隠れします。さらにはそれらが織り成す歴史の薀蓄に興味があれば『Q.E.D』シリーズを(笑)。

ミステリー的要素が殆ど無しでクライマックスに向けてどんどん盛り上がっていき、最終章「きっとまた、どこかへ」に突入した時には『~鬼の巻』再び号泣(笑)。ページ数もどんどん少なくなって、大丈夫か?きちんと終わるのか?と心配になるところ、最後の最後に思いっ切り作者の伏線(?)が炸裂、それがくるか~という事でまた号泣(笑)。もう泣きすぎです^^;;
エンディングもキレイに決まって、ジュブナイル小説としてはかなり面白いのではないかと。
はっきりいって今までの配本の中でも、一番ミステリ(本格?)という要素は少ない・・・というか、皆無に等しい訳ですが、これを見せられると、これはこれでいいでしょう(笑)。

これに感動した読者が大きくなったら、『Q.E.D』シリーズを手にとるんでしょうね~、講談社さん♪