ドラマ『チルドレン』 (原作:伊坂幸太郎)

昨日は楽しみにしていた伊坂幸太郎原作のドラマ『チルドレン』を見ました。
最初に断っておきますと、原作の方は未読なので、登場人物やストーリーに一切の先入観無しに見ました。
原作は、短編集(の振りをした長編小説?)らしいですが、一応ドラマのストーリーを。

家庭裁判所に勤める武藤は、職場の先輩・陣内と銀行強盗事件に巻き込まれる。無事に解放されるが、武藤は一緒に人質になっていた美春に一目ぼれ。陣内は武藤に「あの子と再会して恋に落ちる」と予言し、美春の居場所を教える。職場での武藤は、誠実でまっすぐに子供たちと向き合うが不器用な面もあり、子供たちに馬鹿にされてしまうことも。
そんな中、事件の翌日、武藤は木原志朗(三浦春馬)という万引きで補導された少年を担当。しかし、志朗の父親に対する様子には何か違和感があった。そして、武藤は志朗の驚くべき秘密を知り、事態は急展開を迎える。

キャストはこんな感じ。

武藤俊介 坂口憲二  家裁調査官
陣内達也 大森南朋  家裁調査官 
永瀬政人 加瀬亮   盲目の人
木原志朗 三浦春馬  武藤の担当した少年
青木美春 小西真奈美 青木書店店員
青木良平 長谷川初範 美春の叔父
小山内光一 小林隆 家裁主任調査官
島茂子 渡辺典子 家裁主任調査官
木原周五郎 國村準  志朗の父親?


感想はというと、ポップな構図と画面、ジャズ系のサウンドを多用した音楽、エンドロールが流れ終わるまで隅々にこった演出と作品作りが楽しめて、2時間ドラマとしてはかなりハイクオリティな物に仕上がっていたと思います。

全体に希薄な感じの人間関係でいろいろな出来事が起こり、いつのまにかラストには一本に積み重なってて、この巧さは原作の影響なんでしょうか。
その中でも印象に残ったは陣内と周五郎。

陣内は一人人間臭いというか、かなり無茶なん行動や発言を繰り返しますが、どこか根底で暖かい視線を持っているというか、一つ一つの言葉が後になって、実はかなり印象に刻み込まれてるんだって分かりました。台詞はある程度原作と変わってないと思うので、このあたりは伊坂さんのセンスの良さが光ってるんでしょうね。陣内を演じた大森さんの好演と合わせて、かなり印象に残る役でした。

周五郎はもう、國村さんの好演につきます。個人的に大好きな役者さんなんですが、後半物語の大きな鍵を握る人間として、物語にきちんと1本筋を通してたと思います。

他にも主演の坂口憲二も弱気で神経質な調査官を巧く演じてますし、小西さんのどこかアンニュイで醒めた視線(でも心の裏には・・・)はホント綺麗だと思います。
あとなにをやっても濃い長谷川さん、ちょっと好き♪

実際原作の忠実な映画化かどうかはわからないし、キャストのイメージも原作を読むとかなり違うのかもしれないので、原作のファンは是非!!という風に薦められないが微妙ですが、これが劇場で上映されてもそれなりに見る価値はあるんじゃないかと思います。
多分上映されそうな気がする・・・。

ところで、永瀬さんという役は原作ではもっと活躍するんですかね?
オープニングとエンドロールしか登場しないのに、妙に存在感(加瀬さんの存在感?)あるのが気になって。そういえば、加瀬さんは『理由』の映画でもマンションから転落死する八代祐司を演じてて、出番の割りに印象に残ったなあ。