ワールドカップに想いを馳せて・・・(94年アメリカ大会)

サッカー不毛の地アメリカに上陸したワールドカップ
日本は残念ながら「ドーハの悲劇」により、初出場の夢を打ち砕かれました。
当時高校生だった僕にとってもやっぱり衝撃的でしたが、それにもまして前回大会をきっかけにセリエAを見始めた僕には、やっぱりわくわくします。
で、この大会、実は全試合リアルタイム(予選3戦目の同時キックオフは片方録画中継でしたが)でみました。

予選リーグで思い出すのは、まずはコロンビアの思わぬ敗退。
参加チームの中でも屈指のパスサッカーを誇るコロンビアもルーマニア代表のハジのスーパーゴール、アメリカ代表の大健闘の前に2試合消化した時点で敗退が決まってしまいました。しかも、アメリカ戦で自殺点をしたDFエスコバルは帰国後射殺されてしまいまし。これは大会史のなかでももっとも悲劇的な事件として記憶されてますね。

さらにはアルゼンチンの英雄マラドーナの最後の輝き。予選リーグでは前回でも名コンビぶりを発揮したカニーヒアと共に、予選リーグで素晴らしいプレーを見せてくれましたが・・・なんと薬物違反!!
決勝トーナメントに進んだアルゼンチンですが、マラドーナ、そして怪我でカニーヒアも失い、見せ場を作れず敗退してしまいました。

そして、カメルーン代表ロジェ・ミラの最年長ゴールと、サレンコの固め撃ち得点王。
特にサレンコ、その後はあまりにもぱっとせず消えてしまいましたが、そのインパクトは強烈でした。

またアジア代表もそれなりに健闘してくれました。
予選最終戦で日本を逆転した韓国は、強豪国相手に好試合を展開。目標の1勝はならなかったものの、次に期待させる内容でした。
そしてサウジアラビア。アジアNo.1GKデアイエの超人的なセーブの連発(いまだに現役なんですな、これが)、オワイランのいんちきくさい70mドリブルからの得点。
ベルギー、オランダなどの強豪国と同グループに入りながらも、まさかの決勝トーナメントを果たしてくれました。

そしてイタリア代表の至宝であり、偉大なるカリスマMFロベルト・バッジョがGKパリウカの退場と共に交代を命じられたのは、セリエAファンとしてはやっぱりショックでしたね。

決勝トーナメントに入ると、さすがに強豪国が順当に勝ち上がっていきます。その中でドイツ代表が準々決勝のブルガリア戦で敗退したのが、一番の番狂わせでしょうか。
試合内容では、やっぱり準々決勝のブラジルVSオランダの試合が最も素晴らしい内容だったでしょう。
取りつ取られつの展開に決着を付けたのは、トーナメント1回戦で退場になったレオナルドの代役ブランコの強烈なフリーキックでした。
そして、個人的にも印象に残っているのは、ジャン・フランコ・ゾラ。当時パルマファンの僕は、チームのエースであり、「PKよりFkの方が決まりやすい」とまで言われた当時3本の指に入るフリーキッカーでもある彼の大ファンでした。
決勝トーナメント初戦で途中出場。よし、やったぜ!!と思ったらその数分後にひじ打ちで退場。
明らかに故意ではなくイエローカードが妥当の判定だったと思いますが、同じく1回戦で退場となったブラジル代表レオナルド、開幕戦で退場になったボリビアMFエチェベリと共に、この大会からより厳格になったルールの犠牲者といえるかもしれません。
逆に準決勝対イタリア戦で明らかに流血しているスペイン代表ルイス・エンリケへのファールの見逃しなど、審判に対する疑問もあった試合も多かったです。

決勝はブラジルVSイタリア。
アメリカの暑さにやられたのか、両チーム(特にイタリア代表)の疲労が激しく、前回に続き盛り上がりの欠ける決勝戦でした。
その中で、予選で怪我をしながら奇跡的な復活を見せ決勝戦に出場したイタリア代表DFフランコ・バレージの鬼気迫るプレイは感涙物でした。
そして試合はPK戦へ。イタリア決勝進出の立役者バッジョ、決勝戦の間違いないMVPバレージのPK失敗による敗北。神様は最後に最大の見せ場を用意してくれたって感じですかね。

そういえば、この大会には後にJリーグでプレイする選手が多数いました。
ブラジル代表キャプテンであるドゥンガ、チームメイトではレオナルド、ジョルジーニョジーニョ、ベベット
イタリア代表マッサーロ、ドイツ代表ブッフバルトブルガリア代表ストイチコフ、韓国代表の面々。
当時の日本サッカーに重要な影響を与えた大会だったと思います。