『プリズンホテル 春』 浅田次郎

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義母の富江は心の底から喜んだ。孝之介が文壇最高の権威「日本文芸大賞」の候補になったというのだ。これでもう思い残すことはない…。忽然と姿を消した富江。その行方を気に病みながらも、孝之介たちは選考結果を待つべく「プリズンホテル」へ。果たして結果はいかに?懲役五十二年の老博徒や演劇母娘など、珍客揃いの温泉宿で、またしても巻き起こる大騒動。笑って泣ける感動の大団円。

yahoo紹介より

傑作娯楽小説4部作もいよいよ完結です。
いまさらですが、僕はこのシリーズすべての作品で泣いてます。それも一箇所だけではなく、それこそいろんな箇所で

そして最終作のこの作品でも期待にたがわず泣かせてくれます。
全作を通して人間としての壊れっぷりを発揮した小説家木戸孝之介とその義理の母富江、そして実の母であるプリズンホテルの女将。
3人の関係についにひとつの大団円が訪れますが、これがまた泣かせるんだなあ。

ホテルに関わってきたレギュラーメンバー陣にもそれぞれ新しい未来を見つけ始めます。シリーズを通してすべての登場人物に思い入れがある僕としては、もうこれ以上ない完結編です。
文句があるとすれば、もうシリーズの新作が読めないことだけ!!

一人一人の語る言葉が驚くぐらいに輝いて、そして生きた言葉として伝わってきます。
これこそエンターテイメントの極み!!
もし僕が無人島に何か一冊本を持っていっていいといわれるなら、無理矢理にシリーズ全巻を持っていくでしょう。
それぐらい何度も読み返せる作品です!!



総合  5.0