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「ミステリとの出会い」~『本楽大学ミステリ学部』第1回レポート、その2~

(2007.1.16 ブログ再録)

 
皆様が続々と「本楽大学ミステリ学部」第1回レポートを提出していらっしゃいます。
なかには複数提出なさる優等生もいらっしゃり、こちらは落第しないかと戦々恐々。読書記事も『邪魅の雫』読書中ということで、なかなか更新できず。
ということで、今回は『ミステリとの出会い』からこれまでを振り返ってみる。
まずは小学生編。

 

~小学校低学年~

 

ミステリらしき本との出会いがいつ、なんだったのかというのは定かではない。
ただ記憶を呼び起こすと、E.W.ヒルディックの『マガーク探偵団』シリーズと『ズッコケ三人組』シリーズだったと思う。
後者は未だに入手可能だが、前者は第1巻と第8巻しか手に入らない。細かいあらすじは覚えていないがかなり面白かった記憶があるので、ぜひ復刊してほしいものである。
あとはテレビアニメの『ルパン三世』にもはまっていた。もちろんオリジナルの内容なんて知らない頃。小説もこんな内容だと思っておりました。

 

~小学校中学年~

 

3年生の時、僕は田舎の学校(木造&プールなし・笑)から広島市内の学校に転校した。
その小学校の図書館で運命的な出会いがあった。ポプラ社から刊行されていた江戸川乱歩シリーズである。
もともと不思議なお話が好きだったのであるが、この出会いが僕がミステリ好きになるきっかけになったんだと思う。
最初に読んだのが何だったのか忘れたが、たぶん『蜘蛛男』か『のろいの指紋』(『悪魔の紋章』のジュブナイル?)あたりだった気がする。
少年探偵団シリーズから入っていないのが、今思うとかなり嫌なガキのような気がするが、悪魔のような知恵を働かせる犯人と名探偵明智小五郎との息詰まる対決に心震わせていたと思う。
そのなかで好きな作品を挙げるなら、巨大なビルに映る男の影が怖かった『緑衣の鬼』、海外ミステリ『エンジェル家の殺人』の乱歩版『三角館の恐怖』、意外な犯人との競演が嬉しい『黄金仮面』、タイトルも内容もお馬鹿な『鉄人Q』『電人M』といったところか。

 

小学4年生の時に1年近く入院生活を送り、そのため院内学級に転校したこともありミステリからやや遠ざかる。
とはいっても買ってもらったポプラ社の乱歩シリーズが枕元にはあったのだが。
この頃、いわゆる見立て殺人との出会いを果たす。(「見立て殺人」についてはこちら
といっても小説で出会ったのではない。
病室のテレビで見ていた『うる星やつら』の中で、島に旅行に行ったお馴染みの仲間たちが、島に伝わる童謡と同じ姿で殺されていくのだ。
ネタをばらすと、常にエッチな事しか考えていない主人公を懲らしめる為にみんなが仕組んだというオチだったのだが、普段のソフトエロラブコメ(?)な内容から一転したダークな世界観に、当時の僕は大きな衝撃を受けた。
後でわかったのだが実はこれ、アガサ・クリスティの名作『そして誰もいなくなった』のパロディだったのだ。
とはいっても犯人などの内容は原作のネタバレにはなってなかったと思う。とにかくもう一度見てみたいアニメだ。
また当時NHKでやっていたシャーロック・ホームズの海外ドラマも楽しみに見ていた気がする。


~小学校高学年~

 

長期入院を終えた僕は、その療養も兼ねて宮島の見える新興住宅地の学校に引っ越した。
そしてこの小学校での2年間が僕をミステリ好きにする決定的な2年間だったと思う。
なぜなら僕の教室の後ろにあった学級文庫に、ジュブナイル版の海外ミステリがたくさんあったのだ。

 

そこに並んでいたのは記憶にあるだけでもエラリー・クイーン『Yの悲劇』ヴァン・ダイン『グリーン家殺人事件』ガストン・ルルー『黄色い部屋のなぞ』コナン・ドイル『バスカヴィル家の犬』(ちなみにこちらの写真が笑えます)、ジョルジュ・シムノン『黄色い犬』(絶版)などがあったのだ。(確か、ディクスン・カーもあったがタイトルが思い出せない)。

 

どれもこれも名作揃い(『黄色い犬』はそうなのか?)、すでに乱歩に半分洗脳された僕がこれを読まないはずがない。はまらないはずがない。
さらには図書室にはあかね書房の「推理・探偵傑作シリーズ」全25巻が揃っていた(書籍名についてはまぁさんの記事をご参考下さい。)

 

もう夢のような空間である。初めて触れる海外ミステリを毎日のようにミステリを読み漁った。
印象に残っている作品は先ほど挙げたタイトルの他、アガサ・クリスティ『ABC怪事件』エドガー・アラン・ポー『モルグ街の怪事件』ディクスン・カー『魔女のかくれ家』エラリー・クイーン『エジプト十字架の秘密』、マリー・ラインハート『らせん階段のなぞ』(絶版)。
ちなみに『エジプト~』に併録されていた『14ピストルのなぞ』(『生者と死者と』)でのあるエピソードが僕をクイーンにのめりこませる結果になる。(詳しくはこちら)。また、『らせん階段のなぞ』が挿絵だけ強烈に覚えていて内容はまったく覚えていない。

 

そうこうするうちに学校の図書館で読める本はほとんど読んでしまった。
次に僕の標的になったのは父親の本棚だ。両親ともに読書家であり家に本が溢れていたのだが、特に父親はミステリ好きであったので僕にとって好都合だ。
当時文芸春秋社から発行されていた『東西ミステリーベスト100』(現在絶版)を参考にかたしっぱから本棚を探索した。ちなみに東西とは国内、国外であり国内の1位が横溝正史『獄門島』、海外の1位が『Yの悲劇』、だった。
まず標的になったのが 横溝正史。一番最初に読んだのは『悪魔が来りて笛を吹く』。この作品、ベスト100には漏れていたにも関わらず、もうノックアウトである。
もともと市川監督の金田一シリーズの映画を見ていたので入りやすかったのだが、このときの衝撃があるのか未だに金田一耕助が一番好きな名探偵なのである。
さらには『獄門島』『悪魔の手毬唄』『犬神家の一族』『女王蜂』と立て続けに映画化された名作を読む。
なぜか父の本棚には乱歩がほとんどなかったので、次は高木彬光に挑む。ベスト100に入った『刺青殺人事件』『人形はなぜ殺される』、さらに『女か虎か』(絶版)などで金田一とはまったく違うミステリの魅力にとりつかれる。
さらには坂口安吾『不連続殺人事件』泡坂妻夫『乱れからくり』などの名作もこの頃に読んだ。

 

一方で海外はというと、ヴァン・ダイン『僧正殺人事件』アガサ・クリスティ『アクロイド殺害事件』などを手に取るも小学生には外国人の名前は憶えづらく内容も難しく、途中で断念。こののち中学生の途中になるまで海外ミステリからは離れてしまった。


以降中学生編に続く。

 

最後に作中でも触れた『東西ミステリーベスト100』のリストがネットにありましたので、参考になさってみてはいかがでしょうか。
日本編
海外編