『QED~ventus~熊野の残照』(☆2.0) 著者:高田崇史

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和歌山県紀伊半島に位置する、古来からの信仰深い土地"熊野"。浄不浄を嫌わず、黄泉の国との謂れもある熊野三山熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社―の神々には意外な逸話が隠されていた…。伝承にまつわり一寸の「?」から歴史を辿る桑原崇と棚旗奈々の旅路は、故郷を捨てた悲しい運命を生きる神山礼子と共に、熊野が孕む深遠な謎へと迫っていく。

yahoo紹介より

 

え~実はこの作品、僕にとって数少ない挫折本だったのですが、最新刊『QED~ventus~御霊将門』を購入したついでに再度挑戦。
今回は熊野三山に隠された神話時代の逸話とそれぞれの本尊たる神の正体に迫るといった内容のもの・・・多分・・・。

 

『QED』シリーズは、現実の事件と平行して明かされる歴史の闇の解明が売りなんですが、おうおうとしてかなり専門的な薀蓄が披露されるため読みにくい場合があるのですが、今回はまさに最高峰といいますか、最初から最後まで拷問に近かった。
まず神話に登場する神様の名前の読み方が憶えられん、だからなんとなく字面で追いかけて、頭に入らないままページが進むってなもんで。
時々ほほうと思わせる部分が無くもないのですが、それが歴史の解明に何の役割をなすのか想像できず、結末を読むまでさっぱり。
いや結末を読んでも、あっそうというしかないものがこの作品にはあったなあ~。

 

で、現実の事件。
今回はシリーズでは初(かな?)の一人称文体による視点であり、本編の合間には親殺しに関する独白が挿入されています。
熊野に秘められた真実と親殺しの因縁がラストで見事にリンク・・・してません。いやしてるかもしれない。
つまりはよく分かってないという事。

 

とにもかくにも、これまでのシリーズ作品以上に描かれる神話時代の出来事に興味と集中力が維持できるか、それが重要です。
ぼくの採点は低いですが、逆に興味がある人にとっては高くなるんじゃないでしょうかね~。


採点   2.0

 

(2006.10.10 ブログ再録)