『タッチ』 監督:犬童一心

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 TVアニメとしても絶大な人気を誇るあだち充原作の同名コミックを「世界の中心で、愛をさけぶ」の長澤まさみ主演で実写映画化した青春ラブストーリー。
甲子園を目指す双子の兄弟と幼なじみのヒロインとのピュアで切ない恋模様を爽やかに綴る。
双子の兄弟、達也と和也役には斉藤祥太・慶太。監督は「ジョゼと虎と魚たち」の犬童一心。

 上杉達也と和也は双子の兄弟。幼なじみの浅倉南とは家も隣同士で、小さな頃からいつも一緒に遊んでいた仲。
そんな3人はいま、同じ高校明青学園に通う同級生。スポーツ万能、成績優秀の和也と、そんな弟に何をやってもかなわない兄達也。
和也は好きな南が夢みる甲子園出場を叶えるため、野球部のエースとして活躍していた。
その一方で、達也もまた南に密かな想いを寄せていた。
当の南は、和也の気持ちを知りながらも、少しずつ達也に心惹かれていくのだったが…。

監督:犬童一心   	
製作:本間英行 	
プロデューサー:山中和成 	
原作:あだち充 『タッチ』(小学館少年サンデーコミックス刊)
脚本:山室有紀子

出演 :長澤まさみ    浅倉南
       斉藤祥太 	上杉達也
	斉藤慶太 	上杉和也
	RIKIYA 	原田正平
	平塚真介 	松平孝太郎
	上原風馬 	黒木武
	安藤希 	日向小百合
	福士誠治 	新田明男
	風吹ジュン 	上杉晴子
	若槻千夏 	矢部ソノコ
	徳井優 	岡本先生
	山崎一 	部長先生
	高杉亘 	体育教師
	渡辺哲 	ボクシング部監督
	生田智子 	浅倉しのぶ
	本田博太郎 	津川英二
	小日向文世 	上杉信悟
	宅麻伸 	浅倉俊夫


妖怪大戦争』に続き今回も金曜ロードショーで見ました。

 

初めに言っておくと、これは「タッチ」じゃない。
とにかく原作のイメージに近いと思わせる配役がほとんどない。
浅倉南を演じた長澤まさみは確かに可愛い。それはみとめる。でもこれは南じゃない。
上杉兄弟を演じた斎藤兄弟、双子だという事で起用されたと思うがデビルマンのあの双子よりはよっぽどましだと思う。
けれども正直イメージが違う。特に和也が秀才に見えないのは辛かった。
さらにはマンガに登場しているのかいないのか分らない役が多く、新田君に至っては左打席に立っていた(漫画だと右打席だった気がするんですが)。

 

そもそもあの大作漫画を原作に映画を作る事が難しい、というよりいくらダイジェストにしても詰め込める訳がない。
という事で製作チームが何をしたかというと、オリジナルストーリーを作るという事。
和也が死ぬまではなんとかダイジェスト風にまとめていたが、後半はまったく違うストーリー。
達也がメッタ打ちをくらい野球部を逃げたしたり、和也が死ぬ原因を作った子供の親子が登場したり、黒木先輩が最後までチームにいたり、監督が変わらなかったり。
なにより南ちゃんがレオタードを着ない!!これは残念!!多くの人が長澤まさみのレオタード姿を期待したはずだ!!

 

まあそれはおいといて(笑)。
ただこれはある意味正しい手段だったと思わないでもない。
前にも述べたが、根本的に全部を詰め込むのは無理なのは分りきってるから。アニメだって3まであった。
ただこのオリジナリティの作り方が中途半端だったと思う。
例によってTV用編集が入ってる可能性があるのでどこまで言っていいのか難しいのだが、このオリジナル部分がオリジナル版ダイジェストと言いたいぐらい展開が早い。
正直長澤まさみを含めて演技はまだまだな若手役者陣が多いことも考えると、もう少しじっくり構えた方が良かったのではないかと。
野球シーンは思ったより全然キチンとした仕上がりだっただけに、ここまでストーリーを変えるならもっと腰の据わった青春ストーリーにした方が面白かったんじゃないかな。

 

正直、原作の大ファンだけに評価が非常に難しい。
ある意味アイドル映画としてみればそれなりに見れるのかもしれないとは思うので、原作を知らない人、割り切って見れる人ならば見てもいいかもしれない。
 

(2006.8.25 ブログ再録)