『日美子の唱歌(ソング)殺人』(☆2.4) 著者:斎藤栄

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鎌倉の有名デパートの店長の娘から、自分の父親が誰かに尾行されてノイローゼ気味で困っている、との相談を受けた日美子。彼女のタロット占いの結果は凶―。
果たして小学唱歌の名曲「夏は来ぬ」の歌詞をなぞるような連続殺人が発生する…。タロット日美子傑作ミステリー。

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初めての斎藤さんです。一応二階堂警部を主人公にしたシリーズ、タロット日美子を主人公にしたシリーズなどがある多作な作家さんだという知識はあったのですが、正直縁は無いかと思っていました。
先日cuttyさんのブログで「有名作家・実はこの人読んでない」投票があった時に、僕が斎藤氏の名前を出しこの2人の登場人物の関係がわからん、というコメントをしたところ、cuttyさんより「調べろ!!」という命令を頂き今回の読書とあいなったのです。
ちなみにこの宿題、読み始めて2ページで夫婦だとわかりました^^;

 

いやあ、きつかった~^^;
なにがキツイって斎藤さんの文章が肌に合わないというかなんといか。会話の中でやたら……を使ってるんですよね~、断定口調のところまでこれを使ってたり、下手をすると地の文にまで登場します。僕もよくこれを使ってるんで、あまり使いすぎると読みにくくなるんだなあ~と反省しました。
あとは情景描写の繰り返しが多いのと、感情の省略が多いのも。さらっと読むぶんにはいいかもしれませんけど。


本編の謎そのものは割りと面白いのかもしれません。童謡殺人という本格ファンはそれだけで喜びそうなネタを下敷きにわりと大胆に仕掛けてはくれてます。正直ラストの犯人に関してはえ~、という気がしないでもないですが。

 

ところで、この本の著者紹介でタロット日美子のシリーズは「占術シリーズ」と命名されてます。まあ主人公の名前が名前ですから、どっかでタロット占いするんだろうとは思いましたが・・・まさか犯人をタロットで推理するとは思いませんでした!!もうラスト直前の場面な訳ですが、それを依頼したのがご主人であり神奈川県警警部の二階堂氏!!おい、警察、大丈夫なのか?しかも当たるし!!だったら最初からそれを占え!!(もちろんちゃんと物証もおさえるんですけどね、逮捕時には)。

 

さらにこの日美子さん、容疑者の夢に関する話を聞き、夢判断を信じるという理由だけで無実だと断定したり、関係者の話を聞く時に自分の言葉に、相手を巻き込む念力を籠めて話したりします(文章にそう書いてあるんですよ)。

 

正直おなかいっぱいです(笑)。
ちなみに斎藤氏には社会派推理の「魔法陣シリーズ」なるものがあるらしいですが、社会派で魔法陣?まったく相反する気がするんですが。
まあ、魔法陣は名前なんでしょうけどね^^;だれか読んで確かめてみません?

 

採点   2.4

(2006.6.20 ブログ再録)