『硝子細工のマトリョーシカ』(☆3.4) 著者:黒田研二

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生放送のテレビドラマ本番中に、スタジオ内で次々と勃発する事故。毒は本物にすり替えられ、脅迫電話は真実の声音となり、脚本に秘められた 真実は、慟哭と贖罪の扉を開く。「完全なる虚構」と「不完全な虚構」という二つの世界が交錯する、入れ子トリックの博覧会。この物語は、著者自らが奏でる 鎮魂歌でもある。

Yahoo紹介
なんとか“くろけん祭”最終日に書庫作成ノルマの3冊目をクリアしました。
しかしこの紹介だとストーリーがよく分からん^^;

 

とにかく、多重構成で進行する小説なんですがドラマの登場人物の名前、それを演じる役者の名前、さらに現実とドラマのストーリーが混在して、今どういう展開なのか何度も見失いそうになりました。
実は過去唯一読んだくろけん作品がこれだったんですが、再読してみてなんとなくそれ以降くろけんさんを読まなかったのがちょっと分かった気が(笑)。
再読に際しては、当初マトリョーシカがあったな(当たり前!!)ぐらいしか憶えてなかったのですが、読むにつれて犯人やトリックが思い出されて、逆に伏線を楽しむ余裕が出来たかな。
よくまあ、ここまで複雑なのを破綻せずに書いたことに感心しますよ♪

 

ラストはまったく憶えてなかったんですが改めて読むとくろけんさんらしい終わり方をしてたんですね~。でも事件が複雑過ぎて今回は泣く余裕が(笑)。
途中、ドラマの配役表なんか欲しかったな~と思ったんですが、でもそうすると・・・。

 

くろけんさんを読んだ事が無い人にこれはすすめると微妙な反応が返ってきそうな気がしますが、何冊か読んでから手を出すには十分堪能できるのではないでしょうか?
でも、再読はもういいかな^^;
(2006.5.31 ブログ再録)