今村昌平監督を偲ぶ

昨日、今村昌平監督が無くなりました。享年79歳。
今村監督といえば、「楢山節考(ならやまぶしこう)」「うなぎ」でカンヌ国際映画祭で2度のパルムドールを受賞した事で国際的な評価も高い監督です。
2回の受賞とも、1度目は「戦場のメリークリスマス」(大島渚監督)の方が評判が高い事で、2度目も受賞はまずないだろうということで両方とも日本で受賞の知らせを聞いたのが、なんだかいかにも今村監督らしいなあ~。

 

個人的には広島人なので「黒い雨」が印象に残ってますが、年を取るにつれて枯れる監督が多い中、いつまでバイタリティ溢れる作品を発表しつづけたのはさすがですし、あの年でここまで人間の濃い映画を撮影するのは、他には鈴木清順監督ぐらいしかおもいつかないぞ~。
また日本映画学校を開設し、後進の指導に努められたという意味でも日本映画史の最も重要な監督の一人に数えられるんじゃないでしょうか。
ちなみに監督作品は以下の通り。

 

    * 盗まれた欲情 (1958年)
    * 西銀座前駅 (1958年)
    * 果てしなき欲望 (1958年)
    * にあんちゃん (1959年)
    * 豚と軍艦 (1961年)
    * にっぽん昆虫記 (1963年)
    * 赤い殺意 (1964年)
    * エロ事師たちより 人類学入門 (1966年)
    * 人間蒸発 (1967年)
    *  神々の深き欲望(1968年)
    * にっぽん戦後史 マダムおんぼろの生活 (1970年)
    * 復讐するは我にあり (1979年)
    * ええじゃないか (1981年)
    * 楢山節考 (1983年)
    * 女衒 ZEGEN (1987年)
    * 黒い雨 (1989年)
    * うなぎ (1997年)
    * カンゾー先生(1998年)
    * 赤い橋の下のぬるい水(2001年)

 

遺作は世界各国の監督と共作した短編オムニバス『セプテンバー11』となります。
個人的なおすすめは『豚と軍艦』『神々の深き欲望』『楢山節考』でしょうか。
こういった機会しか、こういった機会だからこそ普段手に取る事の無い名作を観てみるのもいいのではないでしょうか。
合唱・・・・。
 

(2006.5.31 ブログ再録)