ある時は幻の珍獣アカマダラタガマモドキの捜索隊員、ある時は松茸狩りの案内人、そしてある時は戦隊ショーの怪人役と、いっぷう変わったアルバイトに明け暮れる神出鬼没の名探偵・猫丸先輩が遭遇した五つの事件。猫コンテスト会場での指輪盗難事件を描いた「猫の日の事件」、意外な真相が爽やかな余韻を呼ぶ「たたかえ、よりきり仮面」ほか三編を収録した、愉快な連作短編集。
Amazon紹介より
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僕にとって、猫丸先輩は『競作五十円玉二十枚の謎』以来の顔合わせになりました。
倉知さん自体ほとんど読んでなかったのですが、「ほうかご探偵隊」が非常に良かったので、1冊選んでみました。
殺人が起こるわけでもなく、日常生活の中でおこった事件を猫丸先輩がさっそう(?)と解決してくれるわけですが、本格な要素よりもユーモアが溢れた解決が多くて結構楽しめました。
個人的には「トレジャー・ハント・トラップ・トリップ」の犯人の動機が、おかしくてでも切実で印象に残りました。
あとは、「たたかえ、よりきり仮面」に登場する純粋な少年がかわいくて・・・。
で、猫丸先輩なんですが、うーん悪戯心に溢れてて、しかも楽しそうな事は徹底して楽しまないと、という精神は非常に共感できますが、あまりにそれが前面に出すぎてて、すこし引いちゃったかも。
特に表題作の猫丸先輩の行動には、いやなやつ~ってちょっと思ってしまった。
でも、どこか抜けてるトコロがあるから1冊(+1篇)だけで判断するのはちょっと早いかな。
あと、この本の解説。読んでないから正確にはわからないんですけど、他の倉知さんの作品の内容に突っ込んで触れすぎてるような。
これからそれらの作品にトライしてみようと思うわけですが、その障害にならない事を祈るばかりです。
しかし、「よりきり仮面」、ん~ヒットしないでしょ、このタイトルは^^;;;
(2006.5.22 ブログ再録)