Amazon紹介より
くろけんさんのデビュー作(ですよね?)にして、第16回メフィスト賞受賞作。
冒頭のプロローグがどうするんだろ~、って思ってたらAVでしたか(笑)。しかし、こんなAVは絶対みない・・・ような気がするな~・・・多分・・・でもちょっとは・・・
さてさて、感想を~。
紹介文にあるとおり全編に謎をちりばめて、それなりに複雑か構造にはなってます。
なってますけど・・・・わかるよな~、これ。
文章の雰囲気はすごくいいんです。主役の男女を中心に、誰がどう考えているのか伝わってきますし、交互に男女の視点から書くあたりはうーん、なにかあるなと思わせてちょっとドキドキしますね。
ただなにかあるな~と思うのが実はミソで、この手のミステリを読み慣れてる人には作者の意図が簡単に通じちゃいますね。構成がちょっと親切、というか露骨すぎなのかも~。
さらに全編に渡り伏線を埋め込んであるとこなんかは作者の丁寧な気配りが感じられるんですが、処女作という事で文章の技巧がこなれてないのか、染み入り系の文の中で伏線が浮いちゃうんですよね~(だから時々読みにくく感じてしまう)。
となると、物語の展開が大きく先読みできちゃうのが残念ですね。あと、たまに登場人物に馬鹿じゃね~?と思ってしまうトコロが幾つかあったのも、ちょっと気になるかな?
で、密室トリック。これは分からんよ、ウン。ちょっとは頭をよぎらないでは無かったんですが、あまりにも実行不能、バカトリックだよね~って否定しました。うーん、いくらなんでもコレをやるといろんなものに負担がかかりそうなんですが。インパクトはありましたけど、でもねえ~。
とまあいろいろな瑕はあるんですが、文章に関しては基本の筆力はある方とお見受けしましたし、トリックに関してはその都度判断する類なので、継続して読む価値のある作者だと思います。
なにより、処女作でここまで書ければ僕は十分だと思います。
それにしても、今回でくろけんさんは2冊目ですが、またラストでホロリ。だからこういう話弱いんだってば!!
(2006.5.21 ブログ再録)