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『クビシメロマンチスト ~人間失格・零崎人識~』(☆3.8) 著者:西尾維新

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鴉の濡れ羽島で起こった密室殺人事件から二週間。京都、私立鹿鳴館大学。「ぼく」こと“戯言遣いいーちゃん”が級友・葵井巫女子とその仲間たちと送る日常は、古都を震撼させる連続殺人鬼“人間失格・零崎人識”との出会いによって揺らめき脆く崩れ去っていく―。そして待ち受ける急転直下の衝撃。一つの世界が壊れる"そのとき"を描ききった新青春エンタの傑作。 


Amazon紹介より

新青春エンタ「戯言シリーズ」第2弾。
今回は「いーちゃん」事戯言使いの僕が通う大学で起こる連続絞殺事件を表の軸に、京都を震撼させる連続殺人の犯人「人間失格」零崎人識との出会い(?)を裏の軸に物語が進行します。
前作以上に好き嫌いが分かれそうな作品な気はするんですけど、僕は好きですホント。

近作のヒロイン(だと思う)葵井巫女子(あおいい・みここ)、その言動だけ書き出したら、ぱっと読んだだけだと「青色サヴァン」玖渚友とたいして区別できないです。行動もやたらエキセントリックだし、変な言語もここかしこで炸裂するし・・・。
でもやっぱり玖渚友とどこか違う・・・個人的には文章能力はかなりのモノがあると見た!!

前回は超強烈な面子の天才少女達に囲まれて、やや霞みがちだった「いーちゃん」の戯言パワーもいよいよ本領発揮、内面の壊れっぷりを披露してくれるんですが、これがまたなんというか深~いですね。

いーちゃん」と零崎人識の殺人論なんかは、それだけで結構面白いっす。というより、正直メインの絞殺事件よりも作りこんでるというか。
この絞殺事件、犯人の仕掛けたトリックは普通にやったら100%ばれると思うし、そのへんは作中で「いーちゃん」もそう言ってますけど、逆にそれもすらもなんとなく納得させる作品のパワーはすごいと思いますよ。
犯人と「いーちゃん」の対決の壊れっぷりも、それまでの「いーちゃん」の戯言があったからこそあの壊れた世界をリアルなところまで昇華させてるし。

まあ、イラストの軽さとは対照的な結構ハードな読み物に仕上がってます。なかには結構反感買いそうな部分もあるのかなあ、と思うんですけどそれを含めてきちんとひとつの世界と成立してると思うので、やっぱりただもんじゃないぞ西尾維新

でも、前回ラストで登場した「世界最強の請負人」哀川潤が、前作よりパワーが薄まってなんだかただ「いーちゃん」を苛める為だけに終わっちゃった感があるのは残念だなあ~。まあどうやら謎の一族(?)といつか対決しそうな雰囲気があるんでそこに期待かな。
もしそうなっちゃったら本格ミステリでもなんでもなくなる気がするのは引っ掛りますが。

(2006.4.13 ブログ再録)