『オランダ靴の謎』(☆4.0) 著者:エラリー・クイーン

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オランダ記念病院の手術台にのせられた百万長者の老婦人は、白布をめくると、すでに針金で絞殺されていた。犯人は病院の中にいる? エラリーを前にして、第二の殺人がおこった。作者が典型的なフェアプレイで、あらゆる手がかりを与え、読者に挑戦した本格作品。数学のように整然とした論理的構成は、クイーンならではの醍醐味である。

Amazon紹介より
 

僕の中では、国名シリーズの中でも一番解きやすかった作品ですね。といっても、半分ぐらいしか解けなてないからあれですけど。

シリーズ中の中でも、その評判の高さは1、2を争う作品ですが、さもありない。決して派手な展開があるわけじゃないのにテンポ良く読めるストーリー。複雑すぎず簡単すぎずバランスの取れた謎の数々。なによりシリーズ中もっとも素敵(?)なタイミングで入る「読者への挑戦状」。正直第1の殺人のトリックは、ん~って感じがしないでもないです。これは現代の警察だったら、速攻逮捕される部類ですからね。このあたりはちょっとアンフェアって感じも。
靴の処理もどうなんだかな~っていう扱いだし。

でも、その分第2の殺人事件からだけでも十分に犯人像に迫れますし、そういう意味ではエラリイと同レベルの思考能力かも(笑)。
でも、この殺害現場でのエラリイの台詞、「ここに窓が無ければおかしい・・・」。いろんな意味でシリーズ中最高のセリフだと思います。もう、エラリイったら格好よすぎだぞ!!

こういう作品から海外ミステリに入っていくと、本格推理小説が好きになるんじゃないかな~。まあ動機の安直さはお約束って感じですが。

(2005.12.1 ブログ再録)