たいりょうのちょっと一息

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『水の迷宮』(☆2.2) 著者:石持 浅海

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夢を実現に導くために。 事件の謎を解く鍵は、三年前に片山が見た夢。 三年前、不慮の死を遂げた片山の命日に事件は起きた。 首都圏の人気スポット・羽田国際環境水族館に届いた一通のメール。 そして、展示生物を狙った攻撃が始まった。姿なき犯人の意図は何か? 自衛策を講じる職員たちの努力を嘲笑うかのように、殺人事件が起きた! ――すべての謎が解き明かされたとき、胸を打つ感動があなたを襲う。

Amazon紹介より

 

少し気になる作家石持浅海さん。決して傑作という作品は無いんですが、どこか心にひっかかる事が多いんですよね。だから、いつか傑作をものにするんじゃないかと思って読んでるんですが、なかなかうまくはいかないですな(笑)。

この作品もつまらなくはないんですが、どこかちぐはぐな印象が残りました。
水族館で起こる現在と過去の殺人事件。時間をこえて起こる事件の関係性が、解決への大きな手がかりなんですが、うーん結構想像ついちゃうんですよね、これ。物証の処理の仕方もインパクトはありますが、今さらって感じもしますし。

なにより、このラストが・・・。動機も心情的には理解できなくはないし、真相をしった登場人物達の心情も理解できます。でも、このエピローグは無いんじゃない?人死んでるんだよ。ある意味救いのある温かいラストかもしれませんが、これは納得できないなあ。もしこれをやるんだったら、もっともっと肉付けをしないといけないんじゃないかな。

もしかしたら、石持さんは人間の悪意を描くのが本質的に無理なんじゃないかなあ~。だから無理やり殺人事件の話を書くと、登場人物が平板になっちゃうのかもと思いました。


(2005.11.30 ブログ再録)