『封印再度―WHO INSIDE』(☆3.0 )著者:森博嗣

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不可解な死と家宝の関係は? 「天地の瓢」「無我の匣」。香山家に伝わる2つの宝と死の秘密とは 50年前、日本画家・香山風采(ふうさい)は息子・林水(りんすい)に家宝「天地の瓢(こひょう)」と「無我の匣」を残して密室の中で謎の死をとげた。不思議な言い伝えのある家宝と風采の死の秘密は、現在にいたるまで誰にも解かれていない。そして今度は、林水が死体となって発見された。2つの死と家宝の謎に人気の犀川・西之園コンビが迫る。

Amazon紹介より
 

シリーズ第・・・、ってもういいですよね。

この作品は、もうこのトリックをどう評価するかなんでしょうね、実際。
密室トリックはもう、普通の人には絶対解けないと断言できますね。あれだけの専門知識が必要なのはちょっとどうかと思います(笑)。

壺と箱の方の鍵の取り出し方も、まあ正確に推理しろ、っていっても無茶ですね。
でも、発想そのものの面白さは買いだと思います。多分、同様の主題のテーマは概ね鍵をあける所で終わると思うんですが、この作品では、さらに鍵を元に戻すところまでが、1本の線に繋がってるのは面白いと思います。

結局、トリックそのものよりも、そこに至る発想の展開の面白さを楽しむのが正解なのかな~、と思います。
惜しいのは、イマイチ壺と箱のトリックが本編の死の理由に与える影響が腑に落ちない所かなあ~。
動機的なものに関しては、結構嫌いじゃないだけになあ。

で、萌絵の犀川に仕掛けた罠、それはまずいっしょ。気持ちはわかりますがねえ~。

(2005.11.4 ブログ再録)