『邪魔』(☆4.0) 著者:奥田英朗

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始まりは、小さな放火事件にすぎなかった。似たような人々が肩を寄せ合って暮らす都下の町。手に入れたささやかな幸福を守るためなら、どんなことだってやる―現実逃避の執念が暴走するクライム・ノベルの傑作、ここに誕生。

Amazon紹介より
 

奥田さんの作品は今回初めて読みます。いろいろといい評判も聞くのですが、なんだか自分には合わないかも~、と読まず嫌いしてたのです。

うーん、むちゃくちゃ面白いかったです。
とにかく人物造詣とストーリの展開が上手いですね~。事故で妻を亡くしその義母を大切にしている刑事九野、主人と2人の子供に囲まれパートにも出かける典型的な主婦恭子、学校生活についていけず親父狩りや暴走行為を繰り返す高校生祐輔。
ある意味、どこにでもいる人たちに降りかかる不幸。平凡だった生活が一転して、不幸の連続になり、破滅へと一直線に転がっていく様は、なんだか人事に感じられない(笑)。

この3人の関係が絡み合いながらも、複雑になることなく一体感を持って読めるのは、それぞれのキャラがしっかりしているからなんでしょう。特に、恭子の変わりっぷりは強烈ながらも一番リアルです。うーん、おそろしい・・・・

クライム・ノベルと銘うってありますが、そこまでじゃないと思いますが、全編に漂う切迫感は、間違いなく読者を刺激してくれますね。
九野さんの隠された秘密にはビックリで