『笑わない数学者』(☆2.5) 著者:森 博嗣

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偉大な数学者、天王寺翔蔵博士の住む「三ツ星館」。そこで開かれたパーティの席上、博士は庭にある大きなオリオン像を消してみせた。一夜あけて、再びオリオン像が現れた時、2つの死体が発見され…。犀川助教授と西之園萌絵の理系師弟コンビが館の謎と殺人事件の真相を探る。超絶の森ミステリィ第3弾。
Amazon紹介より
 

森さんの代表シリーズ「S&Mシリーズ」第3弾。今回は一風変わった建物でのブロンズ像の消失の謎と、そこで発生した殺人事件の謎を名コンビが推理します。

事件の根幹の重要なポイントとなるブロンズ像消失のトリックですが、ミステリを読みなれてる人なら結構分かるんじゃないですか。
ということは、作中で犀川が語るように殺人事件の犯人も分かりますね。それしか考えられないし。

それにしても、今回の事件の動機というか過程は相変わらず救いようがないというか。
なんだか、読み終わったあともどこかすっきりしない部分が・・・。
ミステリでいうところの「操り」のテーマがこの作品にも伏線としてありますが、事件が解決したあともこの部分の真相が曖昧模糊としてるというか、あえてそれを謎のまま残しているというか、この部分は相変わらず森ミステリしてますね~。

ただ、トリックが単純な分ストーリー部分の弱さが若干気になるところです。
あのラストも、ちょっと消化不良~。
でも、面白い作品ですね。シリーズ通して読み返すと、犀川と萌絵の関係が結構うまくかかれてるな~、と思います。

 

(2005.10.21 ブログ再録)