『Love Letter』 監督:岩井俊二

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神戸に住む渡辺博子は、2年前に山で死んだ恋人の藤井樹に宛てた手紙をポストに投函したが、驚くことにその返事が届けられてきた。その手紙の主は、樹と同姓同名で彼のクラスメートでもあった、女性の藤井樹。やがて博子と樹の文通が始まる。
                              
Amazon紹介より
 

岩井監督が一気に全国区になったのがこの作品ですね。
現在までで、岩井作品の長編の代表作といえばこの作品になるでしょう。

オープニング、雪の中を歩く中山美穂のロングショットは、美しさとこの先に待つ物語の儚さを予感させて一気に観客を引き付けます。
とにかく、映像が素晴らしい。ガラス工房(?)でも中山美穂とトヨエツのキスシーン(当時のトヨエツからすると、この役作りと関西弁は新鮮でした)、雪の小樽の町並み、今は亡き恋人の思い出を辿る為に訪れた雪山の雄大さ。

でも、なにより回想シーンの図書館でしょう!!窓際のカーテンが風に揺られ、その中に見え隠れする柏原崇の美しい顔といったら(笑)。
とにかく、過去のシーンの出来の素晴らしさがこの映画の一番のポイントであろうと。この部分がきちんと押さえられているからこそ、現在の登場人物や物語の設定が生きてきます。
ラストの「失われた時を求めて」には、ゾクッときましたね。

役者陣も、現在の中山美穂やトヨエツ、光石研なんかもいいのですが、やっぱりクマさんのおじいちゃんの好演が一番印象に残ります。
それよりもなによりも、回想シーンの若い役者たちがホントに輝いてます。
柏原崇の美少年っぷりには、文句のつけようが。あの佇まいはタダもんじゃないなと(笑)
酒井美紀もよかったですね。柏原君に対する気持ちの変化を上手く演じてます。なによりカワイイ♪
で、鈴木蘭々!!登場するだけで映画館を沸かす怪演は見事でした。

どこを切っても岩井印の作品。見終わった後には、ついつい松田聖子を口ずさんでる事でしょう。

 

(2005.10.15 ブログ再録)