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『すべてがFになる』 著者:森博嗣

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孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季(まがたしき)。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平(さいかわそうへい)と女子学生・西之園萌絵(にしのそのもえ)が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場!!

                              Amazon紹介より
 

森博嗣さんのデビュー作、S&Mシリーズの第1弾。講談社文庫の解説のにある執筆・発行順の表を見ると、デビュー前には発売された順でいうと、『詩的私的ジャック』まですでに初稿が書かれてたんですね。『すべてはFになる』は、完成順にいくと第4作になると。
でも、デビュー作として何が一番相応しいか、というのでこの作品を選んだ出版側の判断は賢明だと思います。
この作品が1番シンプルで読みやすいし、真賀田四季博士という印象に残る登場人物もいるし。

内容はというと、結構自明の理というか、謎そのものは凄くシンプルだと思います。犯人も可能性を辿っていくとある程度わかるんじゃないかなあ。密室トリックやシステムエラーの件も理屈はともかく枠組みそのものは想像しやすいです。
ただ、そこに至る過程の部分を上手く目くらまししてるというか、理系ミステリという文句そのものが推理する気持ちを萎えさせる罠かも(笑)。

西之園萌絵は嫌われそうなキャラクターですな。まさにわがままなお嬢様というか、浮世離れしすぎですね(笑)。
でも、実はこのキャラが嫌われるのは、1番人間臭いからかも、と思わないでもないなあ。
真賀田四季や研究所の面々はもちろん、探偵役を務める犀川創平もどこか人間という存在から遊離してるような印象があるので、その分彼女の人間味がより際立って見えるからかも。
僕は嫌いじゃないんですけどね。実際いたら困るかもしれませんが(笑)

採点

トリック   3.5 
(実にシンプル。でもその隠し方が作品とかみ合ってて上手いなと思いました。)
ストーリー 3.5 
(かなり専門的な部分もあるのに、読みにくさは感じませんでした)
キャラ    3.5 
(それぞれに個性が書き分けられていると思います。個人的に国枝助手が好き)

総合    3.5