江戸川乱歩の「D坂の殺人事件」と「心理試験」を元に、実相寺昭雄が監督を務め、真田広之が主演したミステリーロマン。伝説の責め絵師・大江春泥の「明烏」の贋作づくりを依頼した古本屋の女将殺人事件に、名探偵・明智小五郎が挑む。R-15作品。
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うーん、なんて変態な映画だ、こりゃ(笑)。
いや、これは褒め言葉ですよ。乱歩の傑作短編の一つを、ある意味乱歩を超える変態さが漂う作品に仕上がってます。
さすが、実相寺監督。乱歩映画はやはり、実相寺か石井輝男じゃないと(笑)。内容は『D坂の殺人事件』と『心理試験』のミックスって感じです。
真田広之がいい感じで変態入ってます。あれだけカッコいい人が、粘着質なナルシスト男を演じると、それだけ狂気の匂いが漂ってきますなあ。真田さんも楽しそうに演じてます(笑)。殺害の理由もふるってるし。
吉行由美さん演じる古本屋の未亡人も、とにかくエロい(笑)。緊縛シーン(どうやらこの界隈ではSMが流行っているらしい・・・)の見事さは、さすが自らもピンク映画の監督をなさってるだけあって、見せ方を心得てらっしゃる。
で、実相寺の乱歩物の明智といえば、嶋田久作!!帝都物語の加藤ですね。この人に明智をやらそうなんて、実相寺しか思いつかないでしょう(笑)。でも、これがいいんですな、不思議な凄みがあって。真田さんとの対決シーンは緊迫感アリアリです。
でも、何が一番変態かって、小林少年です。なんとこの役を三輪ひとみさんが男装して演じてます。これがまた中性的な色気を漂わせて、妖しすぎます。
ラストシーンで、なんの脈略も無く口紅を引くシーンは、なんだか見てはいけないものを見た、っていう背徳感があって参りました(笑)。
いやあ、変態だ・・・
(2005.10.10 ブログ再録)