『のど自慢』 監督:井筒和幸

https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51B00KM3GDL._AC_US400_FMwebp_QL65_.jpg

NHKの人気番組「のど自慢」が我が街にやってくるということで、群馬県桐生市の歌好き人間はウキウキワクワク。何をやってもうまくいかないが家族仲だけはいい夫(大友康平)、地方ドサ回りの売れない演歌歌手(室井滋)、そして不倫の恋に悩む姉を応援している妹の高校生(伊藤歩)などなど、さまざまな境遇の人々が、さまざまな想いを胸に秘めながら番組に参加していく…。
                              Amazon紹介より

 

 井筒さんですよ!!近年の『ゲロッパ』や『パッチギ』の原点はここにあり!!(ほんまかいな)

 僕の中で、井筒作品というのは人間模様の面白さに本領を感じるし、好きな監督の一人なのですが、個人的に『岸和田少年愚連隊』とならんで好きなのがこの作品です。
 まずなにより、のど自慢ですよ、あなた!! なにを隠そう、昔地元でNHKのど自慢が開催された時、僕も予選会参加しました!!結果は予想通り落選でしたが、あの空気がこの映画には見事に表れています。予選に参加する一人一人にある、ちょっとしたエピソードの見せ方が抜群に上手い!!だからこそ、決して上手いとはいえない人の方が多い役者陣の歌声を聴いて、観客は感動してしまうのですよ。

 その中でも、大友康平が物凄くいい味を出してます。なにをやっても上手くいかないお父さんだけど、常に前向き。そんなダメ親父をロッカーとは思えない、人情溢れた演技で魅せてくれます。彼を囲む家族の暖かさも心地よく、『また会う日まで』を熱唱する姿についつい応援してしまいます。

 その他、旅立つ姉に送る伊藤歩の『花』や、ハモれない『あずさ2号』など印象に残るシーンばかり。 最後にみんなの歌声が被さる『上を向いて歩こう』には、自然と涙が零れました。 とにかく久しぶりに純粋に映画を楽しめた、そんな作品です。見ないと損ですぜ~。

やっぱり歌っていいもんですね♪

 

(2005.9.29ブログ再録)